詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

言葉はいらない

 

無口な子

何も語らず

ずっと、考え事をしている

 

何を考えているかというと

他人に、まず、何を語るべきか?である

 

しかし、こんな簡単な、というより

どうでもいい話の結論が

何年経っても、出やしない

 

やがて、無口な子は

無口な青年となった

 

この頃、彼の祖父母は

我が孫の声を聞く前に

亡くなってしまった

 

更に月日は流れて、無口な青年は

無口な中年となった

 

この頃、彼の両親は

我が息子の声を聞く前に

亡くなってしまった

 

このままだと、子供の頃から

というより、生まれた時から無口な彼が

無口な中年から、無口な老人になることは

避けられそうにない

 

ゆえに、奥さんも、二人の子供も

彼の将来を、とても心配している