詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

ある動物園一の哲学者、厭世猿

 

ある動物園の猿山にいる、厭世猿は

つい、この前まで、人間だった

 

しかし、自分が人間であることが

嫌で嫌で仕方ない

そう苦悩し続けた結果


猿へと退化した

本人は、進化だと思っている

 

他の猿たちが

厭世猿の周囲で

キーキー、キーキー

楽しそうに、はしゃいでいるのに

 

彼ときたら、徹底的に

見ざる、言わざる、聞かざる

更に独自の哲学を加え

 

他の猿たちに

どれだけ、無礼なことをされても

憎まざる、をモットーにしている

 

動物園の飼育係の大半は

厭世猿なんて、ただの痴呆猿だと思っている

 

しかし、厭世猿は

それに気付いても、苦笑すらしない

 

大変、立派な猿であり、元人間である