詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

神様を目撃した話

 

飛行機に乗っていた

窓の外を眺めていた

 

大勢の天使が

胸にゼッケンを付けて

空中マラソン大会をしていた

 

もちろん、私がこんな光景を見たのは

生まれて初めてだった

 

取り敢えず、隣の席の人にも

教えてあげようとしたが

安眠している様子だったので、諦めて

私は、窓の外で頑張っている天使たちを

見守り続けることにした

 

やがて、一人の天使が

フラフラと、倒れそうになりながら

私の目の前の窓に、貼り付いた

天使とは思えない、必死の形相をしていた

 

目と目が合った

しかし、彼は無言だった

荒い息だけが、聞こえてきた

 

そこへ神様が現れて

「不正をするな」

と、その天使を怒鳴りつけ

飛行機の窓から、彼を引き剥がした

 

隣の人が

目を覚ましたので

こんなことがあったと

見たままを話しただけなのに

 

「神様なんていないよ」

と、笑われてしまった

 

あーあ、どうして、こんな時に限って

隣の席が、無神論者かね?