詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

隠し味は魂

 

妖怪キノコ人間は

決して、悪い妖怪ではない

 

その姿こそ

あらゆる種類の茸が固まって

人の形になっていて、気味が悪いが

心は、自己犠牲の精神に満ちている

 

勝手に、他人の家の

浴室に忍び込んで

浴槽をきれいに掃除し

熱湯を注ぎ、自分が入り

フタを閉める

 

夜になり、この家の住人が

浴室のフタを開けると、あら不思議

美味しそうな、茸鍋が完成している

 

しかし、どんなに掃除したところで

所詮、浴室で作った料理だから

その衛生的問題から

誰も、口にしようとはしない

 

掃除が大変なだけである

 

しかし、これは、妖怪キノコ人間の

命懸けの行為によるものである

 

決して、あの世の彼を、責めてはいけない