詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

新たなことわざの誕生

 

アンテナ甲虫は

カナブンの仲間である

 

全身が銀色で、頭部に

明らかにバランスの欠いた長さの

アンテナが付いている

 

ゆえに、低空飛行しか出来ない

歩くのも遅い

 

しかし、このアンテナは

ラジオの電波を受信出来る

 

アンテナ甲虫には

それぞれ、チューナーに個性があり

一匹につき、ひとつの放送局しか

聴けないのが普通で、それゆえ

マニアの収集癖を、くすぐるところがある

 

アンテナ甲虫は

長いアンテナのせいで

移動に難がある分

地面を掘るのが、とにかく早い

 

自分が掘った、その穴に身を隠して

天敵から、逃れようとしている訳だが

 

虫や動物は、それでごまかせても

人間には、通用しない

 

なぜって、アンテナが

地面から、これでもか

と、はみ出しているから

 

「全身隠して、アンテナ隠さず」

 

アンテナ甲虫コレクターの間で

最も、流行している、ことわざである