詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

小さい虫と超小さい虫の輪廻転生

 

小さい虫が

超小さい虫を捕らえた

そして、食べようとした

 

超小さい虫が

こんな負け惜しみを言った

 

「おれの体は

 究極の美味だからな

 一生、自慢したまえ」

 

小さい虫は、超小さい虫を

一口味見してから、素っ気なく言った

「さほどでもない」

 

「ああ、これでは

 おれも浮かばれない

 生まれ変わったら

 復讐してやる!」

 

時を経て、超小さい虫は

生まれ変わって、小さくもない虫になった

 

そして、あの時の小さい虫を捕らえて

「お前は、きっと

 美味ではないだろうが

 我慢して食べてやる」

と、宣告したうえで

実際、不味そうな表情を浮かべつつ

小さい虫を、ちぎって食べた

 

「ああ、これでは

 おれも浮かばれない

 生まれ変わったら

 復讐してやる!」

 

時を経て、小さい虫は

生まれ変わって、中くらいの虫になった

 

そして、あの時の小さくもない虫を捕らえて

「お前なんぞ、食べるくらいなら

 いっそ、餓死した方がマシだが

 遊び半分で、不味そうに食ってやる」

と、宣告したうえで

実際、踏んだり、蹴ったりしつつ

小さくもない虫を、ちぎって食べた

 

「ああ、これでは

 おれも浮かばれない

 生まれ変わったら

 復讐してやる!」

 

誰か、この二匹の虫けらに

「宿命だ、すまない」と言って

生き物を食べる礼儀を

教えてやってくれないだろうか?