詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

加害者ではある、しかし、どこまで責任があるのか?

 

ネズミ捕りが

ネズミを、バチンと

抑えつけた

 

ネズミは、もう、動けない

口から、血が滴っている

 

ネズミ捕りは

かなり、動揺しながら言った

「もっと、嬉しいものかと思っていたが

 うしろめたいばかりだ」

 

ネズミは、最期の力を、ふり絞って言った

「これなら、猫に食べられた方がマシ」

 

ネズミ捕りは

無意味に死んで逝く、ネズミに対し

申し訳ない気持ちで、いっぱいになり

泣きながら、謝罪を繰り返した

 

しかし、自分の力では

ネズミを抑え込んでいる

太い針金は、どうにもならなかった

 

ネズミ捕りは、自分の無力を恥じた

 

やがて、ネズミは死んだ

 

ネズミ捕りの方も

毎日、死んだように、塞ぎ込んでいる