詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

真昼の幽霊

 

ひとりぼっちの、美しい少女

永遠に、微笑し続ける、だけの

 

真昼の・・・幽霊

 

太陽の光を気にして、木陰から出ず

病院の、人の行き来を眺めながら

退屈そうに、あくびをする

 

この世に、未練があるとは、思えない

とにかく、無邪気な、真昼の・・・幽霊

 

好きな男と出会う前に

この病院で、命を落とした

 

恋することに、キスすることに

憧れ続けた、夢想家の

 

それゆえ、この世に

未練を残し、存在する

脚の見えない、真昼の・・・幽霊

 

昔から、白く、細く、長い

魅力的な脚が、自慢だったのに

 

今では、すっかり、過去のこと

 

 

しかし、私は忘れない

 

ひとりぼっちで、微笑する

美しい、真昼の、幽霊を

 

切ない、切ない、魂の

憐れむべき、わがままの結晶を