やや迷惑、とはいえ、邪険にも出来ない
ある事情により
骨抜きにされ、骨なしになって
自力では、歩くことも
起き上がることも、出来なくなった
私の兄は、今日も
三人がけのソファーに寝そべり
人間の心の闇
自然の非情さ
神への皮肉
世の中の俗悪さ加減、等について
熱心に、なおかつ、酷い滑舌で
私に、語りかけてきます
「こっちは、仕事を終え、帰って来て
疲れているというのに!」
そもそも、私自身は
「この世界も、日本の社会も
自分の人生も、満更、悪くない」
と、思っているのですが
今、悲惨としか言えない状況にある
我が兄に対しては、本音を隠し
ひたすら、相槌ばかり、うっています