本体をたずねて完全に
何らかの獣の尻尾が
「本体はどこ?本体を見つけて!」
と、連呼しながら、さまよっている
その姿が、あまりに痛々しかったので
思わず私が、「ここだ!」と嘘をついたら
「本当ですか?」
と、尻尾は疑っている様子
「いや、実際は違う
でも、今日から私が、君の本体だ!」
「嬉しい!」
と、尻尾は飛び上がって、喜び
私のジャージのズボンを
勝手に、少し下げて
そのまま、腰のあたりに、くっついた
この時、すでに、私は後悔していた
そして、時が経つにつれて
その後悔は、どんどん、大きくなっている
私の全身が
次第に、毛むくじゃらになって
人間ではない
別の生き物に変化していることが
はっきりしてきたから