詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

本体をたずねて完全に

 

何らかの獣の尻尾が

「本体はどこ?本体を見つけて!」

と、連呼しながら、さまよっている

 

その姿が、あまりに痛々しかったので

思わず私が、「ここだ!」と嘘をついたら

 

「本当ですか?」

と、尻尾は疑っている様子

 

「いや、実際は違う

 でも、今日から私が、君の本体だ!」

 

「嬉しい!」

と、尻尾は飛び上がって、喜び

私のジャージのズボンを

勝手に、少し下げて

そのまま、腰のあたりに、くっついた

 

この時、すでに、私は後悔していた

 

そして、時が経つにつれて

その後悔は、どんどん、大きくなっている

 

私の全身が

次第に、毛むくじゃらになって

人間ではない

別の生き物に変化していることが

 

はっきりしてきたから