詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

天使、降格し、トイレの神様になる

 

ある時、一人の天使が

神様に呼び出され

「君、今日から、トイレの神様だから」

と、降格人事といえる、辞令を受けた

 

トイレの神様は、本当に嫌な仕事である

 

人間が、幸福になるか、不幸になるかは

トイレのきれい汚ないで

決めるべきではないのに

 

現場に直接行って

実際、汚れチェックするのは

トイレの神様なのだから

 

当然、呼び出された天使は

「私には、荷が重過ぎます!」

と、土下座してまで、断ろうとした

 

神様は言った

「嫌な仕事かも知れないが

 誰かがやらないと

 私が地球に出張した時

 汚ないトイレに入る確率が上がって

 テンションが落ちてしまう」

 

天使は思った

「そんなこと、知ったことか」

 

神様は続けて、こうも言った

「何事も、まず、やってみることだよ

 君が思っているほど

 恥ずかしい仕事ではない

 すぐ、慣れる

 楽しいこともある

 誇りも持てるようになる」

 

天使は思った

「じゃあ、自分がやれば?」

 

神様は、つれなく、こう断言した

「もう、決定だから」

 

天使は、涙ながらに

神様の辞令に従い、トイレの神様となった

 

この新しい、トイレの神様は

一年もしないうちに

この仕事を続けるのが、嫌になってしまい

 

誰かが、「トイレ掃除で金運アップ!」

みたいな、噂話をしていると

すかさず、そこへ割って入り

 

「そんなもん、オカルトに決まっている!」

と、ケチをつけるようになった

 

自分が、トイレの神様のくせに