詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

最近、様々な職業で、女性が活躍しています

 

私は、ある観光会社の

「天国への階段ツアー」

という、企画に参加した

 

集合場所へ行くと

そこには、数十台のバスと

数え切れないほどの、参加者がいた

 

私は、指定のバスに乗り込んだ

満席の車内は、とても賑やかだった

 

バスは、一時間以上、走った

 

ガイドの女が

「正面に、天国への階段が見えきました」

と、笑顔で乗客に知らせた

 

それは、緩やかな

螺旋状の階段で

どこまで空を見上げても

終わりがなかった

 

「こんな階段、昇れない」

と、誰かが言った

 

ガイドの女は、すかさず答えた

「ご安心ください

 エスカレーター式です」

 

ツアーの一行は

ガイドの女の指示を受け

列を作り、一人ずつ

エスカレーターに、足を踏み入れた

 

一気に、空へと吸い込まれて行った

 

空から眺める地上

素晴らしい光景に

歓声が上がった

 

しかし、数分後

エスカレーターは止まり

階段は平らになり

 

あの世への滑り台と、変化し

 

みんな、悲鳴を上げながら

地上へと転げ落ちた

 

あのガイドの女だけ

手すりにつかまり

笑顔で、こっちを見ている

 

女の死神だった?

 

今となっては、どうでもいいことだ

 

こうして、私たちは

一人残らず死んだ

 

目の前には、あの世への入口がある

 

私は、この入口を抜けて

本当に、天国へと

辿り着けるのだろうか?