詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

敬愛する団栗博士の異常な愛情

 

ある林の中の

小さな小さな、ログハウス風の建物で

団栗博士と、私、団栗助手が

同棲しながら、診療所をやっていたところに

団栗博士の意向により、団栗新助手が

通いで、勤めに来るようになりました

 

団栗新助手は、小柄で痩身

それはツヤのある、美しい男でした

 

「団栗新助手君!

 そんなことは、団栗助手にやらせて

 少しは休憩したまえ」

 

ああ、団栗新助手が

ここに来るようになってからというもの

団栗博士は、すっかり変わってしまった

 

団栗新助手ばかり

可愛がるようになり

私、団栗助手に

とても、冷たくなりました

 

「団栗助手!

 私は、これから、学会へ向かうので

 留守番を頼む

 団栗新助手君は

 お供として、ついて来なさい」

 

二人は、あやしい?

 

そんなこと、私にだって、分かっています

団栗博士は、学会へ行くのではなく

団栗新助手と、デートへ行くのだと

 

私という、長年、付き合ってきた

必死に仕えてきた男がいながら

若い男と浮気をしているのだと

 

 

ある時、団栗博士は言いました

「団栗助手!

 ちょっと、煙草を買って来てくれ」

 

そんなこと、私より

新入りの、団栗新助手に頼めばいいのに

そう不満を抱かずにはいられませんでしたが

私は、しぶしぶ、診療所を出ました

 

十分後、何だかとても、嫌な予感がして

走って診療所に戻り

ふと、窓から中を覗いて見ると

 

団栗博士が、団栗新助手の白衣を脱がし

壁に手を付けさせ

「これでもか!これでもか!」

と、何度も何度も

繰り返し、体当たりをしていました

 

ええ、分かっています

見なかったことにするつもりです

 

私は、耐える男です

 

ただ、少しだけ

不満を言わせてもらえば

どうして、団栗博士は

団栗新助手にしていた、今の行為を

私には、してくれないのか?

 

それだけが、悔しくて堪らないだけです