詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

母親が約半月ぶりに、病院から帰って来ました

 

 胃癌で入院していた母親が、久しぶりに、我が家へ帰って来ました。本来なら、家族でお祝いムードとなるところですが、母親本人の体調が全く優れず、むしろ、暗い雰囲気が漂っています。

 

 とにかく、今の母親は、食欲が全くありません。水すら、口にすることを嫌がり、たまに、熱い緑茶を少しすするだけで、精一杯のようです。

 

 数日前、病院で会った時は、少量ながらも、お粥を食べたり、ヨーグルトを食べたり、ちょっとした甘いものを食べていたので、安心していたのですが、一変して、昨日・今日と、まともにカロリーのあるものは、食べていないようです。

 

 何も、このタイミングで退院しなくても、と、正直、私は思いましたが、医師の方は、病院のベットでテレビを見て、出された食事を少し食べて、昼寝してみたいな生活をするよりは、住み慣れた自宅に帰した方が、生き生きするのでは?と、思ったのでしょう。

 

 実際は、退院前、楽しみにしていたはずの入浴まで、「今日はいい」と言い出すほど、グッタリしていますが・・・。

 

「昨日、BSのテレビで癌の特集をやっていて、余命半年と宣告された患者が、十数年経って、まだ元気というのがあったよ。琵琶湖の鮒寿司を使ったヨーグルトを、毎日食べてるんだって。癌の抑制に効果があると思われる成分は、『植物性乳酸菌』で、普通にコンビニで売っている、飲むヨーグルトとかにあるから、買って来る?」

 

 私が早口で、そう言うと、コタツに入って、座椅子に寄りかかっていた母は、やや掠れた声で、「お前は理屈っぽい」と答え、その十秒後、「病気になると、一人でいたい時間が増える」みたいなことを言い出したので、私は母の部屋から出ました。

 

 入院中、病院で寝ているだけの生活をしていたなか、車で長距離移動したことによる疲労が原因で、不機嫌になっているだけなら、別にいいのですが、これからずっと、この調子では、さすがに、先が思いやられる感じです。

 

 どうも、母は、今使っている抗がん剤の効果が、イマイチだと思っているようで、癌の進行に対する、不安感が増しているようです。

 

 抗がん剤の効果の前に、とにかく食べなきゃ、何も始まらないし、何かを食べることで、体力をつけないことには、抗がん剤治療も継続出来ない訳ですが、そういうことを私が言い出すと、また、「お前は理屈っぽい」と、嫌われそうなので、しばらく、様子見するつもりです。

 

 ちなみに九十六歳の祖母の方は、相変わらず食欲旺盛です。朝食と昼食の間に、『うまい棒』を三本も食べたようです。祖母は「一本は猫にあげた」と、私に言いましたが、どうだか・・・それにしても、家族が深刻な状況にある中、本当に、どうでもいい見栄!