詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

ほぼ認知症の祖母、久しぶりに鉛筆で、ノートに文字を書く

 

 最近、九十六歳の祖母の記憶力低下が、あまりに酷いので、私が「誰でもいいから、知っている人の名前を書いてみて」と、祖母に鉛筆とノートを手渡すと、約一分かけて書き出した人名は、なぜか、「みのもんた」でした。

 

「自分の名前は?住所は?死んだ旦那の名前は?自分の長男の名前は?その嫁の名前は?」と、私は祖母に、次々と難問を投げかけました。

 

 祖母は「馬鹿にするな!」と言わんばかりに、私が想像した以上の達筆を披露し、私からのヒントこそあったものの、全ての問題に正解しました。そして、「じゃあ、私の名前は?」と、サービス問題を出したつもりが、「それが分かれば、苦労はしない」と、祖母は笑顔で、問題自体を回避するのでした。

 

 祖母にとって私は、今、最も身近な存在のはずなのですが・・・。

 

 その後、十分くらい、祖母はノートに、親戚や近所の人の名前を書き連ねたあと、「もう、誰も思いつかない」と、鉛筆をダーツのような投げ方で、私に返してくれました。

 

「別に人の名前じゃなくてもいいから、日記のつもりで、何でもいいから、思ったことを書いてみたら?」と私が、祖母の目の前に鉛筆を置きつつ、言ってみました。

 

 祖母は顔をしかめて、「何も書くようなことはない」と言った後、「私の書く文は下手なので、誰にも見せたくありません」と書き、自分の部屋へ戻り、座椅子の背もたれに寄りかかりながら、目薬を差していました。

 

 文字を書くことが、ボケ防止になるって、満更、嘘でもないようです。

 

 

 一方、病気(胃癌)の母の方ですが、朝は、少量のお粥と、小さめのコップで、アーモンドミルクを一杯(誰かが癌の抑制効果があると言っているそうです)、十時頃、桜餅半分と青汁をコップ半分、昼は、コーヒーと煎餅半分、道明寺を半分、三時に、また、アーモンドミルクを一杯、スナック菓子少量、夜は、お粥と、それに合う、ちょっとしたおかずを食べる予定です。

 

 今日の母は、私が知る限り、退院以来、最も、カロリーを摂取しています。

 

 母は、自分でも復調している実感があるのか、今日は、縁側で猫と日向ぼっこをしたり、部屋でラジオを聞きながら、編み物をしたりしていました。

 

 

 母の私に対する態度も一変して、横柄な感じがなくなり、愚痴も言わなくなりました。

 

 おそらく、アーモンドミルクが効いているのだと思います。もちろん、その成分が効いているというより、プラシーボ効果(良い意味での思い込み)としてですが・・・。