詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

就活家族~きっと、うまくいく~ 最終回、全ての問題が、この一話で解決スペシャル

 

はじめに

 

 テレビ朝日「就活家族~きっと、うまくいく~」の最終回を観ました。

 

 洋輔のインド行きは、どうなるのか?洋輔と水希の離婚問題は、どうなるのか?家族それぞれの仕事は、どうなるのか?新居は売られてしまうのか?そして、新井浩文と木村多江が演じている人物は、善なのか?悪なのか?

 

 こういった視聴者の興味に、このドラマは、最終回で、きちんとした答えが出せたのか?

 

 意外なことに、何ひとつ、どっちらけになることなく、全て、答えは出ました。しかし、その答えを導き出す公式(プロセス)は、相変わらず、無茶苦茶でしたが・・・。

 

 

最終回、主要エピソード集

 

 前田敦子演じる栞が、彼氏の浮気を知る切っ掛けが、彼の家で、自分の消しゴムを忘れた彼女が、「彼の机の引き出しを開け、消しゴムを探しているうちに、箱根行きのチケットを発見」してしまったから、なのですが・・・絶対にないとは言いません。でも、何て素朴な偶然!

 

 これからインドの支社長になるかも知れない男を、卑劣な陰謀で陥れ、辞任に追い込んだ木村多江が、なぜか、会社に復帰。普通に考えてあり得ないだけではなく、ストーリー的にも、復帰しない形で、洋輔へのストーカー的行動は出来たはず・・・。ちなみに、彼女の最終回の初登場シーンは、社長室付近で、洋輔を待ち伏せ!

 

 工藤阿須賀演じる光と、同じ就活塾に通う女子大学生は、名前も設定されているし、ちょくちょく登場するのに、ほぼストーリーと無関係、別に居なくても、問題なし!

 

 母・水希、光からの相談の電話を、仕事が忙しいからと、後回し、その数秒後、今度は栞が直接現れ、相談を持ち掛けるが、やっぱり後回し。彼女が批判してきた、仕事優先の洋輔と、自分も同じということを示すこと自体は、セオリー通りですが、なぜ、連続しなきゃいけなかったのか?については、よく分かりません。

 

 この後、水希の働いている花屋には、木村多江も段田安則もやって来ます。彼女は、それを知っていたのでしょうか?いつも、店の入り口付近で働いています。

 

 光が働いている雑誌の編集部、それぞれ自分の仕事(書く記事)があるだろうに、「いちブラック企業と悪徳就活塾の癒着・詐欺事件」という、さほどニュースバリューがあるとは思えない話に、全部員十数人が投入されてしまいます。この雑誌の他の記事は、一体、誰が書くのでしょう?

 

 光の働いている雑誌の編集長いわく、「真実を追求する意志がないなら、出版社で働く資格はない」とのことですが、出版社って必ずジャーナリズムやってる訳じゃないのに・・・ま、これはアゲアシ取りでしかないですけど。

 

 就活塾の塾長(新井浩文)の家(光も住んでいる)で、洋輔が目の前の段ボールを開けたら、塾長の帰宅。洋輔・光・塾長揃い踏みの中、段ボールから、障害のある妹の写真が出てきて、障害者のための施設作りは、嘘ではないことが判明。はっきり言って、このシーンも、偶然頼りの面は否めません。

 

 妻が働く花屋に、プレゼントを届けに行く洋輔、少し躊躇していたら、渡し損ねる。その帰りに、栞の彼氏の浮気現場を偶然見掛けて、追走。どうでもいいことですが、洋輔、意外と足が遅いです。

 

 栞と彼氏が橋の上を舞台に、痴話喧嘩。そこへ、なぜか洋輔が、あり得ない(もはや偶然では片付けられない)抜群のタイミングで登場。栞の「一番良い答えは、浮気は誤解だったということ。二番目に良い答えは、誤解ではなかったけど、必死に隠しそうとしてくれること・・・でも、浮気しているうえ、隠そうともしないなんて、最悪だよ!」という名言が飛び出すのですが、彼氏は、つい、さっきまで、結構、本気で、浮気を隠そうとしていたので、栞に認識の誤りがあると言わざる得ません。

 

 言いたいことを言った栞は、颯爽と走り去って行く。追いかける洋輔。立ち止まった場所は、街の書店の前、光の書いた記事が載っている雑誌が並んでいる・・・偶然では片付けられない話、二連発!

 

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 この雑誌の表紙に、このドラマのディテールへのこだわりのなさ、手抜き感が、全て象徴されている感じがします。

 

 悪徳就活塾の強制捜査。マスコミ関係者が、みんな取材規制を受け、事務所の前に待機している中、今はいちマスコミ関係者に過ぎない光が、堂々、事務所の中に入り、塾長と対話。せっかくだから、何でもいいので、事件について質問すればいいのに!

 

 薔薇とスパークリングワインの前で、水希が一言、「人生って、何があるか分からないものですね」、それはそうでしょうが、さも一般の人々の人生は、このドラマほど「何があるか分からない」ものではないと思われます。

 

 空港で、社長に、インド行きを断る洋輔。どうでもいいことなのかも知れませんが、「インドの新会社、インドの新会社」って、そろそろ、正式な会社名決めませんか?

 

 空港で、社長が立ち去り、木村多江と洋輔が二人、「きっと、何かを見つけてきますから」と、彼女。テレビ朝日に、遊び心があれば、この女で一本、深夜のスピンオフ・ドラマいけそうです。

 

 屋台で段田安則と、酒を飲む洋輔。段田の話によると、先日会った、銀行の融資部長が、洋輔を気に入ったので、一部上場の企業に、洋輔をコンサルタントとして紹介してくれるという。たった一度会って話しただけなのに、何ていい加減な融資部長!

 

 朝、洋輔が新居の庭に出ると、そこには水希の姿。なぜ、やって来たのか?なぜ、洋輔がインドへ行かなかったことを知ってるのか?その答えが、「何だかそんな気がしたの」だって・・・さすがに、脚本家もまずいと思ったのか?そこへすかさず、栞と光がやって来て、「お父さん、本当にいたね」、「凄いな、夫婦の勘」だって・・・もっと凄い偶然、いくらでもあったんですがね。

 

 ラストシーンは、絵に描いたようなハッピーエンドで、洋輔は清掃会社で働きながら、コンサルティング業務、他の三人は、それぞれがやりたい仕事で正社員。そして、家族四人で、新居に暮らすことに。

 

 

おわりに

 

 富川洋輔、最後の台詞、このドラマ最後の台詞が、「きっと、うまくいく」なのですが、敢えてサブタイトルに一文字加えたのは、どういう理由があるのでしょう?

 

 単に、三浦友和の言い間違えを、スタッフが誰も指摘出来なかっただけだったりして・・・その可能性、決して、ゼロではない気がします。