朝ドラ「ひよっこ」の第十八話、みね子の決意表明より気になる、ちよ子の大暴走!
NHK・朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の第十八話を観た感想です。
十五分という、短い放送時間の中に、主要なエピソードが三つあり、一つ目は「父親の失踪に気付き、東京へ向かおうとするが、当然、最後は帰宅することになる、ちよ子の話」、二つ目は、それにともなって、クローズアップされる脇役「バスの車掌の次郎の話」、そして、三つ目は、ストーリー上、最も重要な「父の代わりに、東京へ出稼ぎへ行く、その決意を家族に話す、みね子の話」です。
茂と次郎の、「悪かったな、次郎。バスの方は大丈夫なのか?」、「まあ、車掌なんて居なくてもな」、「んだな」、「いや、そんなことねえよ!」というやり取りや、みね子が東京行きの告白をするシーンも良かったですが、何と言っても、今回の放送のMVPは、大人たちから、子供だからと軽んじられ、父の失踪を教えてもらえず、傷付き、感情が爆発する、ちよ子でしょう。
夕方、バスの車掌の次郎に連れられて、帰宅したちよ子、心配して外へ探しに出た母と、涙の抱擁かと思いきや、それを振り払い、早足で家の中へ。
ちよ子が家に入ると、手拭いをほっかむりし、紙の手裏剣を持った、弟の進が、唐突に勝負を挑んで来ます。
進の右側頭部に、ちよ子の横からの一撃が決まると・・・。
進は「いでえ」という、短い言葉を残し、あっさりとダウンします。まさに秒殺です。
その勝利の余韻にひたることもなく、一人、押し入れの中に引きこもる、ちよ子です。
みね子たちが大人の話を始めることを察しちよ子が、押し入れから出て来て、進を引き摺り回します。
進「何で?姉ちゃん離せ!やだよ!」
ちよ子と一緒に、押し入れに入っても、「やだよ!やだよ!」を繰り返す、騒々しい進・・・。
押し入れという、暗い密室の中から、パン、パンという、乾いた音がすると、進は急に、静かになるのでした。
月日は流れて、冬になり、家の田んぼに出来た水溜まりの氷を、進と一緒に、何度も踏み続けるちよ子・・・もう、今の彼女にとって、世の中に存在する全てのものは、攻撃対象でしかないのかも知れません。