詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

やすらぎの郷~お昼の各番組が嫌いな老人たちの、物足りない隠れ家~

 

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 テレビ朝日「やすらぎの郷」は、シルバータイムドラマと自称しているだけあって、少なくとも、若い人たちよりは、お世辞にも若くない人たちに、支持されているようです。

 

 ただし、比較的年齢が上の人たちの、熱烈な支持を受けているというよりは、「ひるおび!」、「バイキング」、「ヒルナンデス」といった、他の裏番組が、老人から「小賢しいだけ、小うるさいだけ」と嫌われているので、結果として、消去法的支持を受けているだけかと思われます。

 


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 ところで、読者の皆さん、この上の写真の料理、何だか分かりますか?ナスの素揚げ?違います。

 

 毎回、やすらぎの郷を観ている人なら、知らない者はいない、ナスの呪い揚げです。

 

 自分の嫌いな人、呪ってやりたい人の名前を宣言してから、先を削った割り箸を、ナスに突き刺し、このように油で揚げます。

 

 揚がったナスは、全て食べなければ、その呪いは成立しないはずだったのですが、何故か、「やすらぎの郷・特別ルール」が適用され、ひと口食べただけでも、OKになりました。

 

 とはいえ、浅丘ルリ子演じる、白川冴子の呪いたい人間は、総勢三百人以上、厳選して三十人にまで絞り込みましたが、それでも、達成するのは、容易なことではないでしょう。

 

 ま、そんなことはどうでもいいんです。

 

 私が言いたいのは、このナスの呪い揚げの場面を観た時に、「脚本家の倉本聰氏が、周囲の人たちを楽しませようと、悪フザケを(いたずら心を発揮)したのに、誰からも笑ってもらえない(愛想笑いはあったとしても)、誰からも注意してもらえない、そんな哀しい老人に思えた」という点です。

 

 失礼ながら、このドラマは、とにかく、つまらないです。

 

 かつての名料理人(倉本聰氏)が、高い骨董品の器(実績充分の老キャスト)を集めて、店を再開し(シルバータイムドラマという番組枠を作り)、自慢の料理を振る舞ってはみたものの、若者は「プラスチックの器(若くて人気のある役者)の方が、軽くて良い」と思っているし、年寄りの方も、ひと口食べて、「固いし(大半の場面が、どこかぎこちないし)、辛いし(無駄に毒づくし)、しょっぱい(つまらない)気がする。あの人も腕が落ちたな」と思っているのだけど、「どうです?」と名料理人に訊かれると、「素晴らしいです。特に器が・・・」なんて、皆で無理して、誉め合っているだけなのではないでしょうか?

 

 老人の中には、「バイキング」や「ヒルナンデス」のようなファーストフードが、どうしても駄目な人がいるので、仕方がないから「やすらぎの郷」で、食事(視聴)してしまう訳ですが、心の底から「美味しい!」とは、誰も思っていないような気がします。

 

 もちろん、人それぞれ、味覚(ドラマの好み)は違いますから、一概に、美味い不味いを決めつけることは、出来ない訳ですが・・・。

 

 


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 浅丘ルリ子「ナスの呪い揚げの話、本当に世間にウケているのかしら?」

 

 石坂浩二「・・・ノー・コメント」