ひよっこ(62話~64話)、すずふり亭で働き出すみね子、その初日だけで、まさかの45分!
NHK・朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の第11週(62話~64話)は、3話も使って、みね子のすずふり亭の仕事風景(初日)を描くという、これまで以上のスローテンポぶり・・・脚本家の岡田恵和氏の、らしさが爆発した、エピソードの作り方と言えるでしょう。
ホール係の先輩として、みね子を指導する高子の、仕事内容の説明と、その心得は、長過ぎ、詳し過ぎで・・・まるで、新人ウェイトレスのためのマニュアル映像のようでしたが、その割には、二人のやり取りのテンポが良く、いくつも笑いが挟んであり、普通に、退屈しない仕上がりになっていたと思います。
特に、高子の「ハヤシライスはハッシュ。オムライスはオム。では、ハンバーグは?」という問い掛けに、みね子が、真面目に自信満々に即座に、やや訛って「ハンバァー!」と答えて、「違う、バーグ」と一刀両断されるシーンは、とても面白かったです。
また、脚本家の岡田氏は、高子の体型いじりで笑いを取るのが、嫌いじゃないようですが、一部の視聴者から(ファンからも)、不評のようです。
しかし、笑わせようとしているシーンで、過度に気を使われ、笑ってもらえず、「高子(佐藤仁美)が可哀想!」と、誰かに同情されてしまう方が、彼女にとって、一段と、可哀想な結果のような気もしますが・・・。
すずふり亭・オーナーの鈴子(宮本信子)の台詞、良いことを言ってそうな感じだけで、何となく、違和感の残るものが、少なくない気がします。
脚本家の岡田氏は、気合いを入れて、フルスイングしてはいるものの、空振りだったり、当たったけど、特大のファールになっている印象です。
愛子(和久井映見)の台詞の時は、もっとシャープなスイングをして、ヒットを量産していたのに、残念です。ま、これから、フォーム等を微調整して、改善されていくとは思いますけど・・・。
真面目な前田と、いい加減な井川の、料理人コンビのユーモラスなやり取りは、手数は多いですが、当たっても痛くないパンチが多い感じがします。
攻め方も(笑いのパターンも)、セオリー通りで、判定では勝っても、KOまではいかないボクサーのようですが・・・料理人の普段の会話が、面白過ぎたら、リアリティーがなくなってしまうので、これで調度良いのだと思います。
すずふり亭の裏のスペースに、和菓子屋の一郎(三宅裕司)が登場すると、「これから、座長が、面白いこと言うよ!」という期待値が、視聴者の間で高まるものの、大体は、不発・・・今後に、期待しましょう。
いかにも岡田氏(乙女)チックなイベント、「女だけの新人歓迎(あんみつ食べる)会」での、仕事が上手くいかなかったみね子を励ますために言った、中華料理店の安江の「お客さんの頭の上に、ラーメンかけちゃった」は、笑い話というより、大事件だと思います。
すずふり亭の一日のスケジュールが、発表されていましたが、午前10時に食事、午後3時~4時に食事、そのあと、夜の10時まで仕事なのに、間に、休憩(食事)なし、私の見間違えだったらいいのですが・・・。
一日15時間近い、拘束時間の長さも気になりますが、みね子の給料を多めにする(ネット上のみね子の、あらゆる金銭に関する批判をかわす)、説得材料としては、アリでしょう。
それにしても、ひよっこは、上京したみね子の成長を描く、約10年の青春記だそうですが、ドラマの日程は、もうすぐ、折り返し地点なのに、主人公のみね子は、まだ19歳、2年も経っていないことから、今後、かなり大胆な、月日の省略があるかと思われます。
それが、どんな形で行われるのか?実の失踪理由、みね子の交際相手が誰になるか?と同じくらい、私は、楽しみにしています。
高子「目が怖いよ!」