詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第1週)、視聴率的には成功、内容的には、ほぼ失敗!

 

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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか」の第1週は、主にヒロインのてんの幼少期を描き、ドラマが始まる前の番組宣伝通り、「視聴者を笑わせよう」という、意志は感じられるものの、その内容自体は、お寒いものだったと思います。

 

 それでも、視聴率的には、連日20%超を記録し、「オーソドックスな朝ドラのスタイルで、そつがない仕上がり、物語の展開も悪くない」と感じている人が、少なくないようです。

 

 このように、わろてんかのスタートを、好意的に評価している人でも、「コメディーとして見たら、イマイチだけど」と、付け加えられてしまうことが多いようですが・・・。

 

 このドラマが、「そつのない仕上がり」に見える要因は、ブロデューサー・監督・脚本家を始めとする、主要スタッフが、近年の朝ドラの過去作品の「お手本」になるところ、「反面教師」になるところを、きちんと分析し、それを自分たちの作品に活かそうと努力している面が、評価されているということなのでしょうが・・・私個人の感想を言わせてもらえば、このドラマは、「欲張り過ぎの良いとこ取りで、失敗する」、そんな予感しかありません。

 

 あるいは、欲張って、色々と策を講じたお陰で、視聴率的には及第点を獲得しても、朝ドラ・ファンからは、「近年における、代表的失敗作」の烙印を押され、「第2のべっぴんさん」と言われるようになる可能性も、決して、低くはないかと思います。

 

 シナリオ・スクールの(あるいは、映画学校の)、三流講師がお気に入りの、優等生タイプの生徒が、マニュアルばかり詰め込んで作った、「仏作って、魂入れず」作品にしかなっていないと・・・おそらく、視聴率が良いうちは、スタッフ首脳も、そんな指摘を、認める気はないでしょうが、テクニックばかりに走って、「こうすりゃ、視聴率は上がるはず」なんてことばかりやっていると、今に視聴者から「なめてんか!」と、見離されてしまうことでしょう。

 

 ネット上で指摘されている、「松坂桃李の役も、てんと同じく、子供の俳優を使わないと、イケメン・松坂が、変質者にしか見えない」という話も、スタートダッシュに失敗した、前作の「ひよっこ」の原因を、「序盤でイケメンの出し惜しみ」と分析し、無名の子役を出すより、知名度のあるイケメン・松坂を、という視聴率戦略だったのでしょうが、そのあざとさが、裏目に出てしまったとしか、言いようがありません。

 

 これまた、ネット上で、「わろてんかは、過去の明治ものの、朝ドラ作品の、あれに似ている、これに似ている」という指摘がチラホラ・・・お手本として、良いところは学ぼうという姿勢の表れで、全面否定をする気はありませんが、こういう指摘が、チラホラ出てくるということは、他の作品からもらったインスピレーションを、「自分化出来てない」証明で、まさに「仏作って、魂入れず」の状況にあると言えるでしょう。

 

 失礼ながら、もしかしたら、まだ、朝ドラの脚本をやるには、力量不足かも知れない、比較的若い脚本家を、プロデューサーが選んだのも、「モデルがいるから、ストーリーのヤマとタニは出来ているし、原作なしとはいえ、事実上の原作と言える作品は複数あるし、一定数の原作モノの経験のある脚本家なら、コケるはずがない」と、計算してのことなのでしょうが、この脚本家本来の「コメディー・センス」が、ここまで酷いとは、きっと、計算外だったのではないでしょうか?

 

 このドラマのテーマを考えれば、かなり、重要な評価基準だったはずですが・・・。

 

 

「このドラマは、そつなく仕上がっている、前作のひよっこが、気まぐれエピソード、気まぐれストーリー展開の連続だったので、そこが良い」という趣旨の意見、意外と多いようですが、実際は、わろてんか、そつなく仕上がっているとは言い難く、例えば、朝ドラの第一週の、主要なノルマと言うべき、「ヒロインを始めとする、キャラクター紹介」、NHKの宣伝の「キャラクター紹介」を読んで補完しないと、よく分かりません。

 

 特に、てんの妹・りんは、NHK公式のあらすじや紹介を読む限り、これから、少なくとも一回は、見せ場がある主要なキャラクターのはずなのに、幼少期のドラマの中では、この妹の性格と、姉との関係性が、一切、描かれていません。

 

 描かれているのは、ひたすら、「風太は、てんが好き」という場面ばかり・・・おそらく、この脚本家にとって、真っ先にインスピレーションが沸くのが、風太とてんの絡みなのかも知れませんが、その割には、この二人のコメディー・タッチなやり取り、一周回って、清々しくなるくらい、スベり倒しています。

 

 私の個人的好みが、わろてんかの脚本家の吉田智子氏のような、「そつなくこなす風」ではなく、ひよっこの脚本家の岡田恵和氏のような、「まともにプロットを作らないので、途中でおかしなところも出てくるけど、そのへんのハプニングも、視聴者の皆さん、どうか、お楽しみください風」の方が好きなせいで、ちょっと、今作・わろてんかに対して、厳しめの批判をしてしまいましたが、「叩かれるのも、注目されている証、無視されるより、ずっとマシ」という考え方で、関係者・ファンの皆さんが、何の影響力もない、ただの個人ブロガーに過ぎない私の無礼を、ご容赦して頂ければ、幸いです。

 


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「このドラマのコメディー、つまらない批判」が殺到する中、週の終りに、救世主(濱田岳)が登場?

 

 来週は、濱田岳、徳永えり、広瀬アリスの、「わてら、コメディーいけまっせ・トリオ」の投入で、すっかり、眠りこけたままの脚本家のコメディー・センスを呼び覚ます、起爆剤となる・・・?