詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第3週前半)、つまらないと言うより、無理のある設定のまま、パレードが回り続けてる?

 

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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか」は、テレビガイド誌などの、あらすじを読む限り、「ふーん」という感じで、特に、つまらないとも思わないのですが、いざ、ドラマの方を観てみると、「あり得ない!」、「笑えない!」、「くだらない!」、そんなシーンのオンパレードで、現状、視聴率が伸び悩んでしまうのも、致し方ないかと・・・。

 

 ただ、ベタながら、ストーリーの骨格は、ちゃんとあるし(少し、カルシウム不足ではあっても)、話の肉付けの方さえ、今より、きちんとすれば、再生する可能性は、まだまだ、あるでしょう。

 

 特に、舞台が大阪に移れば、ヒロインのモチーフの、吉本せいの人生が色濃く反映されて、脚本家のオリジナル色が濃い、京都編よりも、内容が面白くなっていく可能性は、高いでしょう。

 

 とはいえ、このわろてんかの第13回~第15回は、ちっとも笑えない、無理のある設定が、まさに、主題歌通り、行列を作って、パレード中といった感じなので、それについて、いくつか、指摘してみたいと思います。

 

 

「薬品倉庫の焼失で、傾きかけていた藤岡屋が、あっという間に立ち直り、そのうえ、洋薬まで取り扱うように・・・伊能は、一体、いくら融資した?」

 

「てんと藤吉の偶然の再会、そこへ偶然、風太が現れ、それを偶然、リリコが見ている、わずかな時間で、まさかの『偶然三部作』が完成」

 

「藤吉が八卦に行けば、その隣の八卦に、てんたちが現れる・・・別に、占いなんかしなくとも、これは運命(ドラマの都合)に、違いない」

 

「キースの大イタチ(大板血)、あの状況では、すぐに噂が広まるから、そもそも儲からない?」

 

「あそこを縄張りにしている、ヤクザまがいは、座頭とも、儀兵衛とも、顔見知りと考える方が、自然では?」

 

「何故か、キースが、ヤクザから逃げる時に、邪魔としか思えない、大板血を持って登場・・・藤吉が、大板血を使って暴れるという、演出のためでした」

 

「ヤクザが、てんたちに『お前たちもグルか?』と訊ねているが、地元のヤクザが、一人も、てんが藤岡屋のお嬢さんと知らないのは、不自然では?」

 

「てんのところに、木箱が崩れて、藤吉が助けに行くシーン、編集が下手で、藤吉が自分で、木箱に突っ込んでいるようにしか見えない。更に、藤吉が、少し箱をどかそうとしたシーン、軽い箱であることが、バレバレの、松坂桃李の不注意演技」

 

「どうやって、怪我をした藤吉や、着物姿のてんたちが、ヤクザから逃げて、藤岡屋の蔵の中へと、やって来たのか?藤吉とキースに、出店を目茶苦茶にされた人たちも、怒って、追いかけて来ただろうに」

 

「祭りの最中、あの場所で、あれだけの大騒ぎがあったら、誰かが、てんも騒ぎの巻き添えをくっていたことを、儀兵衛に伝えているはず」

 

「キースの妙な喋り方を始めとする、コミカル演技は、演出家の指導の賜物かと思われるが、役者(大野拓朗)に、普通に喋らせてあげた方が、良いような・・・」

 

「キースの大板血は、商売として、全く、儲かっていないのだから、ヤクザの、キースを追いかける、モチベーションは低く、『川に沈められる』なんて、自意識過剰もいいところ、それよりも、出店を目茶苦茶にされた人たちの、恨みの方が怖いくらい」

 

「あの蔵には、薬品もしまってあるようだし、藤吉とキースをかくまっても、すぐ誰かに、見つかってしまうのでは?てん・りん・トキ・風太の四人で、懸命に防いでいた?そもそも、この四人、普段は、一体、何をしている人たち?」

 

 「リリコが藤岡屋へ行くと、すぐに、家から、てんが出て来る・・・もはや、この程度の偶然では、我々、視聴者が、驚いたりしなくなったのは、繰り返し、無理な設定を強いてくる、無茶な脚本家に、飼い慣らされてしまった証拠?」

 

「それにしても、リリコが、藤吉に惚れた切っ掛けが、ひもじい時に、べっこう飴をくれたから・・・男は、顔立ちの整った、ひもじそうな少女を見かけたら、取り敢えず、べっこう飴をあげて置けば、10数年後、きっと、良いことがある?」

 

 

 第13回~第15回の中で、最も無茶な話は、もちろん、キースの「大板血」な訳ですが、ドラマ上、一体、何のために、これをやったかと言うと、藤吉を蔵(藤岡家)に連れて来るため、そして(第3週の後半を観れば分かることですが)、脚本家は、家の事情で結ばれない恋、「ロミオとジュリエット」を、藤岡家の蔵を舞台に、やってみたくて、仕方なかったようです。

 


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 藤岡家の縁側から、蔵への位置関係・距離感が、こんな感じだとも、知らずに・・・。

 

 日本版・ロミオとジュリエット、「藤吉郎とおてんちゃん」、おそらく、そのジャンルは、悲劇ではなく、このドラマのタイトル通り、コテコテの喜劇のようです。