詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第5週前半)、啄子(鈴木京香)が斬りつけるべき相手は、藤吉(松坂桃李)ではなく・・・?


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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第25回~第27回)」は、実家の北村屋が、多額の借金を抱えていることを知った藤吉が、店を立て直して、てんとの結婚を、啄子に認めてもらおうと、張り切って働き出す・・・そんな中、商売敵の引き抜きや、経営方針の違いから、番頭も手代も、店を去って行き、啄子まで、行商まがいのことをするようになる・・・更に、一発逆転を狙った藤吉が、キースを介して、1000台ものパーマ機を、(店・土地を担保に)借金で購入するものの、それが全て不良品と判明する・・・要するに、老舗の米問屋・北村屋が潰れていく、その始まりと過程を描いている訳ですが・・・このドラマは、第5週目に入っても、全くブレることのない、相変わらずの「視聴者参加型・間違い探しスタイル」を貫いており、これまでの朝ドラとは楽しみ方が違う、かなり、斬新な作品として、きっと、朝ドラの歴史に、その名を刻むことでしょう。

 

 

 それでは、早速、わろてんか(第25回~第27回)の、視聴者の多くが「何かの間違いですよね?」と言いたくなるところを、厳選して、「30」ほど、指摘してみようと思います。

 

 

「北村屋に不動産屋が来て、初めて、ライバルの大きな米屋(天野屋)の存在が・・・普通、序盤に、チラッとでもいいから、挟むべき話だったのでは?」

 

「北村屋に不動産屋が来て、初めて、この店の売り上げが落ちている話が・・・これも、その前に、チラッと、啄子に、番頭が『このままでは、ジリ貧でっせ』みたいな話をして、視聴者に伝えて置くべきだったのでは?そこで、二人が揉めて置けば、番頭が『何を言っても無駄、信用されていない』と、店を出て行く、伏線にもなったはず」

 

「ナレーションで、大阪・船場にも、近代化の波、という話をするなら、後で、金貸しに、市電が通る話をさせないで、この時、不動産屋に、『ごりょんさん、ここに市電が通る噂があるから、もっと、高く売れるなんて、思ってはるのか?』みたいな台詞を、言わせて置いた方が良かった」

 

「多くの人が指摘していることだが、なぜ、ひとつ、5キロだか、10キロだか、もっとだか知らないが、あれだけの数の米袋を、荷車に積み込んで、アチコチ、移動しながら、売り捌く必要がある?」

 

「藤吉が荷車を引いていると、いつものように、偶然、大口の顧客になりそうな、病院や駅の権限のある人物と遭遇・・・偶然なんて頼らないで、荷車なんか引いてないで、普通に、藤吉が、病院や駅へ、訪ねて行って、そのうえで、断られればいいだけでは?」

 

「番頭が辞めるという情報を、新参者の女中に過ぎない、てんとトキに、先輩女中が、急いで、伝えに行かなければいけない、理由は?」

 

「その先輩女中は、店の中から、店の外へと出ただけなのに、何故か、息切れ状態・・・女中が慌てて、主人公などに、重要情報を伝える時は、息切れしているものと、勝手に思い込んでいる、センス以前に、知性の欠片も感じない、しょうもない演出家!」

 

「番頭が店を辞める、伏線は、取って付けたようなタイミングで、『誰かと会っている』という話があっただけ・・・それ以前に、この番頭が、どういう人物なのか、どういう仕事をしているのかさえ、結局、分からずじまい」

 

「偉そうに、大きなことを言ってた割には、『番頭が居なくなったら、この店は回らない』と弱気になる藤吉・・・そもそも、彼のやっていることは、番頭のやることと、仕事がかぶっているようなので、彼さえ、有能なら(自分に自信があるなら)、大した問題ではないはず」

 

「店の借金の理由が、自分の父親の女遊びのせいと知り、母・啄子を同情したのか、急に、現場を仕切り出した藤吉・・・どうせ、やることは、これまでと同じなのでは?」

 

「手代は、天野屋の『安かろう悪かろう商法』を真似ることを、啄子に進言、しかし、彼女は『品質を守るべき』と、拒絶、これを切っ掛けに、手代まで、店を去って行く・・・つい、先日まで、藤吉が間違って買って来た、古米だの、外米だの、平気で売ってた癖に、どこが『品質重視』なのか?」

 

「北村屋の番頭や手代が、辞めていく理由は、脳内補完、出来ないこともない、しかし、ただの使用人たちが、辞めていく理由は?置いてもらえるうちは、給料がもらえる(減らない)うちは、人が減って、仕事がきつくならないうちは、自分から、辞めるはずなんかないのに・・・」

 

「番頭・手代が辞めた時点で、自ら、肉体労働までするようになった、啄子・・・多くの使用人が、辞めてからにすれば良かったのに、明らかなフライング!」

 

「それにしても、北村屋は問屋なのに、どうして、母子揃って、小売り(しかも、行商スタイル)にばかり、夢中になる?」

 

「人がわざとらしく、壁にぶつかると、そんなに面白い?嫁に、旦那が頭を叩かれると、そんなに面白い?これで、吉本新喜劇だの、夫婦漫才だの、表現しているつもり?せめて、演出家が、もう、ひと工夫してくれないと、とても、観ていられない」

 

「米問屋の息子が、まともに、米すら売り捌けないのに、どうして、パーマ機なら、1000台も売れると思った?つくづく、無茶な設定」

 

「このドラマの脚本家が、まともなら、パーマ機を、いくらで買って、いくらで売るという、藤吉とキースの相談シーンと、パーマ機の売り手の、実演+説明シーンを入れなきゃいけないはずだが・・・要は、このドラマの脚本家は、まともじゃないということ?」

 

「ナレーションで、『まだ、パーマ機は、日本には、入っていないはずですが』という言い訳が・・・少しくらい、史実と違っても、その話さえ、面白ければ、差し引きゼロか、プラスになるのだから、自信があるなら、そんなこと、ナレーションで発表するべきではない」

 

「ところで、あの長屋、結構、電気が使えるらしい・・・そして、在庫のパーマ機1000台、どこに置いてある?」

 

「てんと万丈目の出会い、嫁に追い込まれている彼を、てんが助けたテイになっているが、『どんなことを言ったのか?何したのか?』一切、不明」

 

「藤吉の居場所へ、何故か、周囲(てん?)を警戒しながら向かう、万丈目、あれだけ、警戒をしていながら、戸の方はキッチリ閉めず、てんに、覗いてください、と言わんばかり!」

 

「てんの藤吉へのビンタ、明らかに迫力不足・・・しかし、あのシーンで、てんが藤吉を『グー』で殴っていたら、『グーでいくんかい!』と、初めて、視聴者が、大笑いしてくれたかも?」

 

「藤吉のナイスアイデア(?)、リリコの家とキースの家を、縄で繋いで、彼が帰宅したら、鈴が鳴る仕掛け・・・犬や猫じゃないんだから、家の入り口に、縄がぶら下がっていたら、誰だって、おかしいと思うだろう!」

 

「ああいう仕掛けをしても良いということは、キースは一人暮し?じゃあ、藤吉は、リリコの家ではなく、そのまま彼の家に、居座り続ければ良かったのでは?」

 

「キースに、パーマ機の借金の返済能力がある訳じゃなし、藤吉は、あの長屋に、何日も張り込んでないで、さっさと、家に帰って、働くべきなのでは?」

 

「北村屋が大変な時に、と藤吉には言いながら、自分の(好きな男の)こととなると、店に帰らず、好き勝手なことをし出す、自由気ままな女中、おてんちゃん」

 

「藤吉が、店と土地を担保に、借金したことを知った、怒りの啄子が、リリコの家に登場、『どうして、ここに藤吉がいることを知っている?』なんて疑問は、抱くだけ、ムダ、このドラマでは、よくあること、それで済む話に過ぎない」

 

「啄子の『不肖の息子』発言、不肖という言葉は、普通、親の立場で、使ってはいけないのだそうな・・・天下のNHKが、ニュースではなく、ドラマとはいえ、本当に、こんなことで、いいのでしょうか?」

 

「キースの持っていた、まがい物(?)の刀を振り回す啄子、すかさず、『ついに、刃傷沙汰でございます』という、ナレーション・・・誰かが斬られて、初めて、刃傷沙汰なのか、誰かが斬られそうな状況も、刃傷沙汰なのかは別にして、『ございます』と断定するより、この回のラストなんだから、『ついに、刃傷沙汰にまで、なってしまうのでしょうか?』と、次の回まで、引っ張ってみせるのが、セオリーというものかと・・・」

 

 「第4週、第5週にかけて登場した、北村屋の人々、啄子、楓、番頭、手代、藤吉の姉、女中と、全てのキャラ設定が、迷走か、最初から、まともに描く気ナシ・・・たとえ、北村屋が潰れても、視聴者は、『あっ、そう』としか、感想はナシ?」

 

 

 

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  啄子(鈴木京香)さん、藤吉(松坂桃李)なんて斬っても、このドラマにとって、何のプラスにもなりません。

 

 わろてんかの質向上のため、どうせ、斬るなら、製作統括・プロデューサー・脚本家・演出家の中から、お好きな人を(あるいは、全員を)、どうぞ・・・。