詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第6週前半)、違和感だらけの脚本世界(吉田ワールド)へ、ようこそ!

 

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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第31回~第33回)」は、てん・藤吉・啄子が、芸人長屋へと引っ越し・・・てんと藤吉は、寄席をやるという夢を叶えるために、奔走するものの、啄子は、寄席などやって欲しくない・・・そんな中、藤吉の芸人仲間・リリコに、後妻ながら、縁談があったり、てんの実家では、父・儀兵衛が体調を崩していたりという、あらすじなのですが・・・相変わらず、違和感だらけの脚本世界(吉田ワールド)に、視聴者は、毎回、3回以上、失笑することが、約束されたと言っていい、安定の仕上がりとなっています。

 

 それでは、異能の脚本家・吉田智子氏が送る、「朝の連続違和感地獄・わろてんか(第31回~第33回)」の、気になったところについて、厳選し、30超、指摘してみたいと思います。

 

 

「万丈目は、居酒屋のような(食堂のような)、店をやっているのに、藤吉たちの引っ越し祝いに、何故、一滴の酒も、持って来れない?」

 

「キースの『酒がないから、お茶け』、まともな人間なら、深夜の2時くらいまで、酒を飲んでないと、とても、言えない」

 

「無一文かつ素人の、てんと藤吉が寄席をやること自体、無茶なのに、啄子から与えられたタイムリミットは、一ヶ月・・・ドラマ上、こんなに早く、寄席を手に入れなくちゃいけない必然性、本当にある?」

 

「啄子の『北村屋の名を甦らせないと、結婚は許さない』という言葉に対して、『はい、承知しています』と、てん、何という自信家・・・そして、北村屋って、無一文の若い二人が、例えば、数年で築けるような、チャチな店だった?」

 

「金もないのに、いかにも繁盛している寄席に行って、『手放す予定』を訊いて回る、藤吉とてん・・・理解不能」

 

「藤吉の『一年中やれる、ハコがないと、寄席とは言えへんのや』という台詞、寄席の定義に、こだわっている場合?」

 

「店を買う元手の話、『いっぺんに払うのではなく、売り上げの中から払う』、それは前提に出来る話ではなく、売り手との、交渉の中で決めることでは?」

 

「万丈目、万年亀井が『人を信用しない、偏屈な人物』とは知ってるのに、彼が天神の裏の裏の、寄席の持ち主とは知らず・・・不思議!」

 

「芸人長屋の、比較的近くにあるらしい、亀井の寄席、藤吉の仲間の芸人たちは、昔、出たことがある、という設定にした方が、リアリティーもあれば、今後の話も、膨らんだと思われる」

 

「万丈目の店にて、藤吉が寄席をやる話で、盛り上がっている中、偶然、リリコがやって来て、覗いている・・・わろてんか、このパターン、使い過ぎ、と思っていたら、翌朝も、藤吉・てんと、リリコが道でばったり、と思ったら、この後も、藤吉が、リリコとばったりは、繰り返し、繰り返し・・・藤吉とリリコは、彼とてん以上に、運命の二人?」

 

「てんと藤吉が部屋で二人きり、お互い、蜜柑を食べようとして、手が触れ合い、ドキッ!今時、こんな演出をするなんて・・・明治の話としては、斬新?」

 

「売れない芸人たちが、雑草を杵で突いて、正月気分を味わう、というエピソードは分かる、しかし、それを、塩付けて食べる?更に、啄子の『塩を使わないで、梅干しを見ながら食べた方が、塩の節約になる』って・・・雑草なんて、食べなきゃいいだけでは?」

 

「亀井の寄席を見て、『古いし、やってないし、安く手に入るかも』と藤吉・・・そういう台詞は、多少なりとも、金を貯めてから言ってくれる?」

 

「てんの『(藤吉の)寄席をやりたいと言う気持ちは、誰にも負けやしまへん』、元々、寄席をやろうと言い出したのは、てんの方なのに、まさに、違和感しかない」

 

「てんの『草で餅を作るんですか?美味しそうやわ』、美味しいわけない、『楽しそうやわ』とか、『草が餅になるなんて、安く上がって、いいですね』の方が、妥当かと・・・」

 

「藤吉と亀井が話をしていると、偶然、リリコが、彼女を後妻にしたがっている旦那と登場し、効果音+スローモーションで、藤吉の方を見る・・・それにしたって、酷い(無駄な)演出!」

 

「啄子が、野菜の行商を始めようとし、腰を痛め、初めて、働くことを決意した、藤吉とてん・・・遅い!」

 

「かつて、藤吉が困った時に、米の一合も買ってくれなかった、引っ越し祝いの時に、酒の一滴も持って来なかった、万丈目の店に、まさか、てんを雇う余裕があるとは・・・」

 

「亀井に『(母親が倒れたのは)どうせ、お前のせいやろ?』と言われ、『俺は、芸にうつつを抜かして、そのうえ、席主になりたい、馬鹿息子』と答える藤吉、自分の馬鹿息子ぶりの話をするなら、パーマ機の話は外せないと思うが、敢えて、それを言わないのは、彼の意外な、虚栄心の表れ?」

 

「リリコが、藤吉に『ウチを助けて!』と言うので、どんな話かと思えば、彼女が、結婚歴のある金持ちの旦那から、プロポーズされたというだけの話・・・この結婚自体、悪い話とも言い切れないし、嫌なら、断ればいいだけでは?」

 

「藤吉とリリコが、言い合いをしているところに、偶然、アサリがやって来て、目撃・・・NHKの人物紹介に、守銭奴と書かれているだけあって、わざわざ、夜道で、金勘定中!」

 

「アサリが、万丈目とキースに、昨夜の話をしていると、そこへ藤吉、『おてんちゃんがかわいそう』と話し出すと、そこへてん・・・噂さえすれば、誰でも、登場して来るシステム?」

 

「啄子の『(藤吉は)嘘のつけない子や』、てんは8年間、彼の嘘の手紙に(旅芸人をしていると)騙され続けていたのに・・・」

 

「啄子の『(藤吉を)信じた方が得や』、息子を信じて(勝手なことをされて)、結果、先祖代々の店を潰してしまった記憶は、この時のショックで、忘れてしまった?」

 

「啄子の『(アサリは)駄賃をやれば、何でも喋る』という台詞、駄賃という言葉の使い方として、おかしいような、『小銭をちらつかせるだけで、何でも喋る』の方が、妥当かと・・・」

 

「亀井が、藤吉に『暗い顔して、どこへ行く?』、『ちょっと、(てんと)ケンカしまして』という、やり取り・・・その前のシーンで、ほぼ、仲直りしていたような、それ以前に、大した(こんなに、引きずるような)ケンカにも、なっていなかったような・・・」

 

「儀兵衛は、トキがてんの元へ行ったことを容認していたのか、黙認していたのか、知らなかったのか、描かれず・・・手抜きとしか、言いようがない」

 

「明らかに、体調の優れない儀兵衛、しずに『誰にも言うたらアカン』と、釘をさしているところを、風太が見ている、聞いているという・・・今日も出ました、わろてんかのストーリー展開の方程式!」

 

「ひよっこでは、ヤスハルと犬、わろてんかでは、リリコと犬・・・名前がカタカナの登場人物は、犬と戯れなくちゃいけないというのは、HHKの朝ドラの、新ルール?」

 

「藤吉の『おれは、おてんちゃん、いや、てんしか、いてへん!』、何故、言い直した?藤吉か、藤吉郎かの話くらい、どうでもいい!」

 

「リリコの『藤吉は、私が身売りされそうになった時、体を張って、守ってくれた』、まだ、十代半ばかと思われる、旅芸人一座に、ついて回っているだけの藤吉が、一体、どうやって?」

 

「どうでもいいけど、リリコ、藤吉との、思い出のべっこう飴、子供の頃から、ずっと、なめていただけあって、最近、ついに、飽きちゃった?」

 

「藤吉は『芸を見る目だけはある』そうな・・・その割には、自分が、芸人に向いていないと気付くまで、時間がかかり過ぎのような・・・大半のテレビの前の視聴者は、遅くとも、第3週くらいで、気付いていたのに」

 

 

 それにしても、藤吉も、てんも、それぞれ、違う寄席で働いて、金を貯めながら、運営のノウハウを学びながら、情報収集しながら、人脈を作りながら、しばらくして(チャンスを得て)、亀井の寄席のような、端席を手に入れる話で、別に、良かった気もするのですが(もちろん、もっと、普遍的かつ斬新な展開があるなら、別ですが)、どうして、こんな・・・ある意味、斬新(もちろん、皮肉)、しかし、普遍性(リアリティー)が、ほぼゼロのドラマを、この脚本家の先生は、書き続けてしまうのでしょうか?

 

 異能の脚本家(吉田智子氏)の考えることは、我々、常人の、及ぶところではない、ただ、それだけのことなのかも知れませんが・・・。