詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第6週後半)、酷い脚本、酷い演出、理解不能のホーホケキョ!


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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第34回~第36回)」は、体調を崩している儀兵衛のために、てんを里帰りさせたい、風太が、大阪にやって来たり・・・実は、亀井の寄席が、藤吉と啄子の思い出の場所だったことが判明したり・・・亀井の寄席を買うのに、500円という大金が必要となり、てんが実家に帰って、儀兵衛と交渉したり、という内容なのですが、いつもに増して、違和感だらけの、とんでもない仕上がりとなっており、脚本も演出も、ここまで酷ければ、一周回って、むしろ、清々しい気分になれるかも知れません。

 

 それでは、救いがないほど、酷い脚本+演出ながら、それがかえって清々しい、珍妙なドラマ「わろてんか(第34回~第36回)」の気になる点を、厳選して、30超、指摘してみたいと思います。

 

 

「通りで、野菜を売っている藤吉のところに、京都から大阪にやって来た、風太が・・・このドラマから、偶然を取ったら、何も残らない?」

 

「てんを幸せにすると言いながら、(許嫁がいて)結婚も出来ず、女中をさせていたことを知った時は、藤吉を殴った風太・・・未だに、結婚も出来ず、そのうえ、店を潰して、てんに長屋住まいをさせていることに関しては、特に、怒らず」

 

「てんたちが、住んでいる長屋の場所は、トキも知らないはずなのに、風太が到着・・・そこには、偶然にも、彼と面識のあるキース・・・そして、家の中から、てんが登場・・・せめて、風太が、この長屋の場所を知っているのは、何故かだけでも、教えてもらいたい」

 

「万丈目の店にて、てんと風太が、お互いの近況報告、『寄席なんか出来るんか?』という、風太の問いに、『さあ?やると決まったら、やるしかない』と答える、てん・・・彼女のモデルの吉本せいって、やる気だけの人物だった?」

 

「結局、儀兵衛の体調が良くないことは伝えない、風太、更に、てんも、彼の様子が、おかしいとは思いつつも、家族の誰かに異変があるとは、気付いていない様子・・・何だか、釈然としない(何のために、風太は大阪に来た?)、そんなシーンは、わろてんかでは、よくあることなので、気にしないのが、何より」

 

「風太が、付けてもいない、腕時計を見るという、おそらく、濱田岳の、明治のリアリティーを無視した、しょうもないアドリブ・・・まともな演出家なら、撮り直しさせるはずだが、何故、OKを出した?これが、OKなら、演出家なんていらない!全部、役者に任せた方がいい(実際、その方が、良くなったりして?)」

 

「亀井は、借金があるのに、何故、何年も(万年亀井と名付けられるほど)、日向ぼっこしている(していられる)?」

 

「藤吉とてんが、亀井の寄席に入ると、そこは、驚くほど、きれいに、手入れがなされていた・・・亀井は、毎日、日向ぼっこしてたのに?そして、どうして、中だけ、手入れして、外の破けた提灯は、直しも外しもしない?」

 

「寄席を譲ってもらうことになって、提灯がどうとか、座布団がどうとか、興奮して、空想が拡がっていく、藤吉・・・不粋なこと言って、申し訳ないけど、そのお金の方は、どう工面する?」

 

「藤吉の『この寄席は、おれらのもんや!誰にも、渡さへん!これが、おれらの夢の寄席や!』という台詞、まさか、ここまで理性を見失ってしまうとは、と呆れてしまうが・・・しかし、もっと、恐ろしい事実は、このシーンだけを見ると、まるで、藤吉の子供の頃からの夢が、やっと、現実になったかのようだが、実際は、藤吉が寄席をやると決めてから、まだ、たかだか、ひと月前後しか、経っていないことだろう」

 

「啄子から、寄席をやる許可を、もらうもらわないの話になっているが、彼女は『ひと月で寄席開業の目処が立たなければ、諦めなさい』と言ったはず、つまり、ひと月で目処が立ったのだから、やってもいいのでは?」

 

「啄子から、寄席をやる許可を、もらうもらわないの話になっているが、彼女に内緒で、実家を担保に、借金していたやつが、何を今更、親の許可なんて、気にしているのか?」

 

「主題歌の前のオープニングで、藤吉が買おうとしている、亀井の寄席が、実は、彼が啄子と初めて行った、思い出の寄席だということが、別に挟まなくてもいい回想シーンのせいで、視聴者にバレバレ・・・つくづく、酷い演出!」

 

「キースとアサリが、藤吉が寄席をやってもいいように、啄子の説得に出る・・・その時の、『ダンマリかい!』の間が最悪、もっと、長い間を取らないと、ダンマリという突っ込みが、妥当性を失う・・・本当に、このドラマの演出家は、ピントがズレまくっている」

 

「キースとアサリの啄子説得が、失敗に終わった後、時間が経過してからの(シーンが変わってからの)、藤吉が『(啄子は)ずっと、ダンマリやな』という台詞、藤吉やてんが、啄子に声をかけて、無視される十数秒の短いシーンを、2~3挟んで、初めて、活きる台詞かと・・・」

 

「早朝、啄子が居ない・・・天秤棒と野菜のザルがないんだから、仕事に出たと思うだけで、何故、てんと藤吉が、探しに行く必要がある?」

 

「何故か、今日に限って、鍵が開いている、亀井の寄席の中に、啄子が・・・そして、何故か、少しだけ、戸が開いていることに気付き、中へ入って行く、てんと藤吉・・・しょうもないにも程がある?この、しょうもない手法(引き戸の隙間に誘われて)、なんと、これで2度目!」

 

「ホーホケキョ!ホーホケキョ!ホーホケキョ!ホーホケキョ!ホーホケキョ!ホーホケキョ!ホーホケキョ・・・ノー・コメントで」

 

「亀井は、借金があるのに、どうして、売り上げの中からしか、支払いの出来ない、藤吉に、寄席を譲ることにしてしまったのか、と思ってはいたものの・・・亀井夫婦の(一応)感動話と、それを引き継ぎたいという、てんと藤吉の(一応)感動話があったにも関わらず、『やっぱり、500円(今の価値にして、500万円)払って』とは・・・脚本家の、感動話詐偽が酷い!」

 

「今のてんたちに、500円なんて大金、用意するのは無理、そこで藤吉が『万策尽きた』と発言・・・自分たちで懸命に働いて、元手を作るという、最も、基本的な策が、講じられてこなかったのに?」

 

「早朝、てんが居ないことに気付いた藤吉、『まさか』で・・・京都(てんの実家)へ、空振りしなくて、良かったね(もちろん、皮肉)!」

 

「ナレーション『その頃、てんは、京都の実家の前に居ました』、前作のひよっこも、移動は、たいがい、どこでもドア方式だったけど・・・ひよっこの、どこでもドアが21世紀製だとしたら、わろてんかの、どこでもドアは、22世紀製?」

 

「母・しずに、門前払いされそうになった、てんの『今日は、娘としてではなく、商人として来ました』という台詞・・・だったら、ここではなく、銀行の方へ、どうぞ」

 

「てんは、この間、勘当されているので、家には帰らない話を、風太にしたばかりなのに・・・まさかの、金の無心のために、ご帰宅!

 

「商人としてやって来た割には、どんな寄席にするかのプランや、どの程度の儲けになるかなどの話はなし、ただ、『寄席をやりたいから、500円貸して』と言うだけ・・・現代の、お金持ちのお嬢さんが、『お父さん、私、雑貨屋さん、やりたい』と、親のすねをかじって、店を始めるのと、一体、何が違うのか?」

 

「藤吉の話が出たと思ったら、風太がやって来て、たった今、藤吉がやって来たことを、儀兵衛に耳打ち・・・とにかく、このドラマは、ちょっと噂すれば、誰でも、登場していい、システムらしい」

 

「はつが、『足しにして欲しい』と、身に付けていた、かんざしを、てんに渡そうとすると、儀兵衛が、それを止めて、500円を貸すことを決意・・・何故、かんざし?例えば、はつが『500円はどうでも、100円や200円の金なら、私にかて、あります。どうか、私に、投資させてくれなはれ』とでも言ったなら、堪らず、儀兵衛が、というのも分かるけど」

 

「てん、商人として、藤岡屋にやって来たのに、夜まで、居座っちゃった(泊まっちゃった?)」

 

「てんと儀兵衛、雪が降るような天候なのに、わざわざ、縁側へ・・・雪の華のくだりが、やりたかっただけ」

 

「てんの『お父さん、娘として、お話しさせてもらって、よろしいですか?』って・・・もはや、てんは、どんな立場にもなるのも、自由自在?」

 

 「娘の立場になったから、顔色の優れない父親の、体調でも気遣うのかと思ったら、そんなことは、特になし・・・またも、露になる、ヒロイン・てんの、桁外れの鈍感さ!」

 

「画面における、庭の花と、縁側のてんと儀兵衛との、バランスの悪さが、このドラマの演出家の、駄目さ加減を物語っている・・・おそらく、儀兵衛が『どんな寒空の下でも、花は咲く』という話をしたから、花を強調しているつもりなのだろうけど、これみよがしに、デカく、撮り過ぎているのは明らか・・・こんなことで、視聴者を、笑わせてどうする?」

 

「てんと藤吉が、ようやく、手に入れた寄席の前に、リリコが、人力車に乗って登場、当然、視聴者が、何より気になっているのは、彼女が『金持ちの旦那の後妻になったかどうか?』のはずなのに、全く、そこに触れられることもなく、彼女が『一流の芸人を目指して、東京進出する』という話が・・・もしかしたら、後妻になったからこその、人力車であり、東京進出だったとしても、普通は、結婚したかどうか、視聴者に伝えるための、藤吉とリリコの、直接的な会話があって、然るべきかと・・・」

 

 

 ・・・以上です。

 

 

 読者の皆さん、酷い脚本の、酷い演出の、酷いドラマの、酷いレビュー、長々と、お付き合い頂き、本当に、有り難うございました。

 

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