詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第57回~第58回)、何故か、現代の働く主婦の不満の、代弁者となる、おてんちゃん!


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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第57回~第58回)」は、てんが、お稲荷さんの前で、助けた女(お夕)は、ある咄家の娘で、寄席の雑事全般をこなすうえ、三味線まで弾ける才女、しばらく、風鳥亭で預かることに・・・相変わらず、団吾を北村笑店へ、迎え入れるために、忙しい藤吉、キースたちの団体交渉など、大して気にもせず、「あれこれ、文句言う前に、団吾師匠より、大きい笑い、とってみい!」と、昔から、今の今まで、芸人としての努力を怠ってきた彼らを、冷たく突き放す・・・風太から、藤吉が団吾に御執心という話を聞いた、寺ギンが「太夫元でもやる気か?」と、勘繰りに来るが、藤吉は不在、戸惑うてん、風太が「こんな小屋では、団吾師匠の看板に、押し潰されるだけですわ」と、機転を利かし、納得した寺ギンは帰って行く・・・ある時、万々亭に、団吾がやって来たと聞き、みんなでそこへ、駆けつけると、そこにいたのは、偽者で、しかも、その男は、お夕の夫だった・・・お夕の夫が、咄家だと聞いたてんは、実力があれば、風鳥亭の高座に上げたいと、藤吉に話をしてみるが、彼が、尊敬する団吾の偽者をしていたことが、気に入らないのか、全く、乗り気ではない・・・藤吉が、団吾に夢中で、周囲をないがしろにしている状況に、耐えられなくなった、てんは、キースたちの団体交渉に参加、北村委員として、3つの要求を出すが、決裂、「資本家の横暴を許すな!」と、騒ぎ出した芸人たちは、ストライキを決意する・・・家に帰りたがらない藤吉は、伊能とリリコと、万々亭で、酒を飲むことになり、伊能の企画した活動写真に、リリコが女優として、テストを受ける話で盛り上がる・・・翌朝、結局、家には帰らず、風鳥亭で寝ていた藤吉の元に、てんがやって来て、一緒に、お夕の夫の落語を聞くことになる、そこへ、あの団吾が、借金取りに追われて、飛び込んで来る、という話なのですが・・・先週、てんと藤吉の夫婦喧嘩の話をやったのに、今週も、同じような展開(忙しい藤吉、家族で一緒にいる時間が欲しい、てん、よって、関係がギクシャク)、団体交渉の時の、てんの3つの要求も、先週の、隼也の初節句の仲直りでやった時と、ほぼ同じような内容・・・藤吉のキャラが、学習能力なしという設定なのか、このドラマの脚本家(吉田智子氏)に、学習能力がないのか?私の印象としては、どうも、後者のような気がしてならないのですが・・・。

 

 

 先週、今週と、ヒロインのてんが、「出張の多い、忙しい夫を持った、家計のために、パート勤めをしている、若い主婦の不満の代弁者」にしか、見えなくなっていますが、一体、ここから、どうやって、あの吉本興業を築き上げた、凄腕女経営者へと、てんが成長していくのでしょうか?私には、全く、想像がつきません。

 

 そんな、コメディーというより、ミステリー、朝ドラというより、主婦の不満の受け皿のような、昼ドラ「わろてんか(第57回~第58回)」で、私が気になったことについて、指摘してみたいと思います。

 

 

「食事は出来る、しかし、立とうとすると、よろける、次の日になると、元気に雑巾がけをする・・・何て、ほどよい、お夕の体調不良!」

 

「お夕が、大阪へと来る途中、夫とはぐれてしまった話を聞くと、てんが『ウチの若い子に、探させます』、こんな台詞いる?いろんな意味で、現実的じゃないし、この台詞がなくても、ドラマ上、何も困らないのに」

 

「藤吉が、団吾に御執心というだけで、何故か、『太夫元になる気か?』と勘繰る、寺ギン・・・はたして、この論理の飛躍は、寺ギンのキャラ?それとも、このドラマの脚本家の個性?」

 

「キースたちの第2回・団体交渉で、彼らに『新しいネタも考えない。今ある芸も磨かない。団吾と力の差は歴然(待遇に差が出るのは当然)!』みたいなことを言い出す、藤吉・・・今更?もっと、前に言うべきだったのでは?」

 

「キースたちの要求の中に、『高座の出番を増やすこと、天満だけじゃなく、玉造の寄席にも出して欲しい』とあったが、それだったら、この、ほぼ専属芸人たちが、『昔は、毎日、3回、出番があったのに、今は、1回しかない』、『おれもや』、『おれなんて、週に2日も、休みがある』みたいな、愚痴を言うシーンを入れて置くべきだった」

 

「お夕の夫(偽団吾)『笑いの神様なんて、この世におるかい!』、確かに、少なくとも『わろてんかの世界』には、存在していない?」

 

「団吾を名乗り、落語をして、ウケていたという、お夕の夫に『本物やと思うたから、笑うてくれただけや』と言い放った、藤吉・・・自分も、団吾だと思うから、その破天荒ぶりに、感心しているだけで、団吾と知らなかったら、『ただのアホ』としか、思わないタイプなのでは?」

 

「お夕の夫を、高座に出したいと考えるてんが、『ほんまに、落語の才能を持ってるかも知れんし』と言うと、藤吉が『大事なのは、本人が、どう思っているかや、女房の言うことはアテにならん』という答え・・・よく意味が分からない、『大事なのは、お客が、笑ってくれるかどうかや、女房の言うことはアテにならん、第一、本人にやる気が、全く、ないわ』とでも、言いたかった?」

 

「キースたちの第3回・団体交渉に、てんも北村委員として参加、3つの要求のうちのひとつ、『朝の食事は3人で』、てんがうるさく言わなきゃ(藤吉が帰りにくい状況を作らなきゃ)、これまで普通に、守れていた話では?」

 

「北村委員の、3つの要求のうちの、ふたつ目、『愚痴は貯めずに、お互い、すぐ話すこと』、愚痴っぽいのは、てんの方だし、普通に、彼女は、藤吉への不満をぶつけているし・・・」

 

「北村委員の、3つの要求のうちの、みっつ目、『一日一回、家族3人で笑うこと』、笑うことが、自然な感情ではなく、ノルマになるなんて・・・そう言えば、かつて、このドラマにも、一話で、3回笑わせるという、ノルマがあったような・・・おそらく、『団吾、団吾って、お花見じゃあるまいし』なんて、てんが言っているうちは、達成することはない?」

 

「今後、リリコは、活動写真の女優として、成功する?娘義太夫として、東京進出して、成功した話を、ドラマ上、殆ど、活かしてないのに、もう、次の展開?吉田智子氏は、お夕の夫にも負けない、各エピソードの、食い逃げ常習犯?」

 

「早朝、風鳥亭で、てんと藤吉が、お夕の夫の落語を聞いていると、そこへ、団吾が飛び込んで来る・・・その後、十秒もしないうちに、追い掛けて来た、借金取りらしき男が二人、間違いなく、団吾が、風鳥亭に入るところを見たはずなのに、『ここには居ない』と、去って行く・・・演出も問題だが、脚本は、もっと、問題・・・最初から、追っ手なんかいらなかった、ただ、団吾が逃げて来た、それだけで良かったのでは?」

 

 


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 てん(葵わかな) 「ウチが童顔で、子供がいるように見えないって、ネットで叩かれているのを知ってる癖に、あんな色っぽいの(お夕・中村ゆり)放り込んで来て・・・キャスティング考えたやつの、アホーッ!」