詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第61回~第62回)、藤吉の「ライスカレーある?」は、彼のボケではなく、まさかの「カレー衛門」への前フリ!


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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第61回~第62回)」は、相変わらず、団吾獲得に夢中の藤吉、てんは、ストライキ中のキースたちや、団真とお夕のことが気にかかる・・・そんな、思うところの違いから、二人の仲は、口も聞かないくらいに、冷えきっていたが、ある時、藤吉が、良かれと思って、「寄席の仕事を辞めて、子育てに専念して欲しい」と、てんにお願いする、彼女は、それを望んでいた訳ではなかったが、「お好きなように、しておくれやす」と、その頼みを受け入れる・・・隼也の子守りに、不満がある訳ではないものの、自分が、北村笑店に不必要な人間、と言われたような気がして、落ち込む、てんのところに、リリコがやって来て、彼女の経験談から、「寄席経営における、花形芸人の必要性」について聞かされ・・・てんは、リリコの言葉から、自分の考えが浅はかだったことに気付き、藤吉の言うように、団吾は、これからの北村笑店に、必要な芸人だと理解し、風太を通じて、自分も、会ってみることにする・・・何とか、団吾との接見に成功するものの、彼の要求する契約金など、用意出来ない、てんは、その場を後にするしかなかったが、諦めきれず、風太と一緒に、団吾が外に出るまで待機、彼が出て来ると、追跡を決行、彼の別宅へと辿り着くと、そこには、何故か、お夕の姿が・・・その頃、万々亭には、初孫のために、金が必要になった、岩さんが、風鳥亭に出たことで、キースたちに、「裏切り者!」と責められていた、そこへ、てんとの関係がギクシャクし、家には帰りにくい、藤吉が、食事にやって来る・・・芸人とは名ばかりで、新しい芸も考えず、今の芸も磨かず、仲間をいびって、時間を無駄にしている、キースたちに、腹が立った藤吉が、ついに、言いたいことを、全て、ぶちまける・・・という話なのですが、団吾・団真・お夕の三角関係は、確かに、てんと藤吉の夫婦喧嘩よりは、面白いかも知れませんが、やってることは、ただの、昼メロドラマに過ぎず、「NHKの朝ドラ的制約」の存在を考えると、ドロドロの話ではなく、ベタベタの話に終わる(団真とお夕、団真と団吾、どちらも、昔のように、仲良くなる)に、違いありません。

 

 

 そんな、朝の寸止め・メロドラマ「わろてんか(第61回~第62回)」で、私が気になったことについて、いくつか、指摘してみようと思います。

 

 

「金策となると、取り敢えず、金庫から、店の権利書を持ち出したくなる藤吉・・・団吾の契約金の話の前に、2軒目の寄席の話にまつわる、金の話をやるべき。いくらで買ったのか?支払いは済んでいるのか?どれだけ売り上げがあるのか?など」

 

「てん宛てに、お夕からの手紙・・・感謝の言葉と、風鳥亭からも、長屋からも、去る話だけでいいのに、わざわざ、団真と別れる話まで・・・更に、てんは、その手紙を、わざわざ、団真に見せに行く・・・大した、付き合いでもないのに(まだ、出会ったばかりという、関係なのに)!」

 

「団真とお夕の、別れる切っ掛けを作ってしまったのでは?と気にする、てんと、別れた方が、お互いのためだったのでは?と考える、藤吉が、トキと亀井の協力を得て、伝言ゲーム・・・長年の付き合いのトキが、てんの気持ちを代弁出来るのは分かるが、はたして、藤吉と亀井は、そこまでの関係と言えるのだろうか?」

 

「てんと仲直りをしたくて、良かれと思い、『寄席の仕事を辞めて、隼也の子守りに専念して欲しい』と願う、藤吉の不可解・・・そもそもの喧嘩の原因は、藤吉が『ありもしない大金を、団吾に使おうとしていること』と、そのことで、キースたちとの関係が、ストライキを起こされるほど、悪化したのに、彼が、気にもとめていないことなのに、どうして、こんな結論に?」

 

「既に、タネという子守りがいるのに、てんを専業主婦に(何て、お金持ち!)・・・そして、藤吉は、彼女がしていた、寄席の雑務に追われ、団吾のところに、なかなか、顔を出せなくなる、このことで、夫婦仲は悪化しても、改善されることもない・・・何ですの、コレ?」

 

「リリコが、てんに、『時流に合った花形がいるから、全体が底上げされる、私も、一番の花形がいなくなった途端、人気がなくなってしまった』といった内容の告白・・・確か、リリコが大阪に帰って来た理由は、人気者ゆえに、周囲にやっかまれて、嫌になってしまったから、だったはずかと・・・ま、あの時は、みんなに見栄を張っていただけ、と解釈することも出来なくはないですが、おそらく、このドラマの脚本家・吉田智子氏、リリコが、大阪に帰って来た理由を忘れたまま、このシーンを書いている可能性が高い?」

 

「花形が居なければ、寄席の経営は出来ないって・・・北村笑店の2軒の寄席は、売り上げ好調という話なのに、何を焦っている?これから、大きな寄席を買う予定があって、そのために、というなら分かるが、いや、どっちにしたって、金の工面の問題が、どうにもならない」 

 

「藤吉が、団吾獲得に執心する、最大の理由、『団吾を専属にすれば、月の井一門も付いてくる、それに、団吾に憧れる若い芸人たちが、どんどん、北村笑店に集まって来る、そうなれば、もう、寺ギンの世話になる必要もない』だったら、私も、納得出来るが・・・」

 

「眠る隼也の隣で、てんが『明日からは、お母ちゃんと、いっぱい遊ぼうな』と語りかけた、その数日後(?)には、お母ちゃん、月の井トリオ絡みの、大きなお世話で、家に居なくなる!」

 

「長屋の井戸に、ぶら提げられた、ストライキのスローガンの数々、誰が考えたのか知らないが、概ね、滑っている。あのクオリティーで、ネットなどから、『小ネタがいいね』なんて、誉めてもらえるとでも、思っている時点で・・・その楽観主義、羨ましい!」

 

「言うまでもなく、てんは、ストライキなんてしていないのに、『ウチも、ストライキです』と、キースたちの前で明言・・・このドラマの脚本家の吉田智子氏、あと何回、この手のミスをやらかしてくれるのか?ある意味、わろてんか名物のひとつになっている?」

 

「風太のツテで、団吾と交渉する機会を得て、披露したてんの踊り・・・あんなジェスチャー・ゲーム紛いではなく、もっと、振り切った、滑稽さがないと、大した、笑いにはならない」

 

「てんの『ウチは、お金で、芸人さんを縛ったり、したくありまへん』という台詞・・・どうせ、後で、矛盾することになるのは、これまでのパターンから、分かりきっている?」

 

「てんの『どうか、ウチの寄席に、出てもらえませんでしょうか?』という台詞・・・専属にしたいのだから、目的が違う、尤も、『取り敢えず』という言葉が入れば、ツテ作りには、なるだろうが・・・」

 

「交渉は決裂したものの、諦め切れない、てんは、風太と一緒に、人力車に乗った団吾を追跡・・・追い掛けて、交渉を再開する機会を得たところで、完全に、ノー・プランなのに、何故、そこまでする?」

 

「何故か、お夕が、団吾の別宅に・・・どうして、こうなった?その経緯は?作者(吉田氏)が分かっていないのに、論じる側が、分かるはずがない!」

 

「月の井一門が、大阪を拠点にしているということは、お夕の実家も、大阪のはずなのに、彼女の両親は?その他の身内は?知り合いは?別に、団吾を頼らなくても、どうにでもなるかと」

 

「万々亭で、初孫のために、寄席に出た岩さんを、『裏切り者!』と罵倒する、キースたち、歌子あたりに、『お前も、裏切って、神戸に行ってたやないか!』と、アサリに突っ込ませないところをみると・・・吉田氏、このシーンを書いている時、アサリの過去、いつものように、すっかり、忘れていた?」

 

「岩さんをいびる、キースたちを『同じ釜の飯を食べた仲間やないか!』と叱る、藤吉・・・確かに、この4人組、餅の代わりに、杵で突いた、同じ臼の雑草を、塩かけて、食べてたっけ!」

 

「藤吉が、キースたちを説教した後の『ライスカレーある?』は、ボケ?だとしたら、藤吉『かき氷!』、歌子『今、何月だと思うとんねん!』の方が、分かりやすいかと・・・わろてんか・第62回より、後の話になりますが、実は、この『ライスカレーある?』は、藤吉のボケではなく、まさかの、吉田氏の数少ない、オリジナル・必殺ギャグのひとつ、『カレー衛門』への前フリ!だったら、藤吉『ここにカレーはないよな、久し振りに、食べたかったんやけど』、トキ『仲直りして、おてん様に作ってもらったら、どないです?』とやれば、視聴者に、ボケと思われることもなかったかと・・・」

 

「また、わざわざ、団真のところへ行き、『お夕が、団吾のところにいる』と、報告する、てん・・・可愛い顔して、団真を、精神的に追い込んでいくことを、本気で、楽しんでいる?」

 

 

 

 ・・・以上です。読者の皆さん、私の、長いばかりの、つまらない小理屈、最後まで、お付き合い頂き、本当に、有り難うございした。

 

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