詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第67回~第68回)、北村笑店(風鳥亭)の売り上げと経費に関する設定の、その余りの酷さについて!

 

f:id:kitafumi:20171219093341j:image

 

 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第67回~第68回)」は、当代随一の人気者・月の井団吾を、北村笑店の専属にしたことで、勢いに乗った藤吉は、三軒目の寄席を手に入れ、その売り上げも好調だったが、自前の芸人が少ない北村笑店の、寺ギン頼りの状況は相変わらずで、藤吉は、日々の番組作りに苦労する・・・ある時、寺ギンの太夫元に所属する、曲芸師の佐助が怪我をしたことから、その妻・富が、藤吉を頼って、金を借りに来るものの、「それは筋違い(誤解を招く)」と断るが、子供が4人いるうえ、寺ギンからの借金もある、富に、てんが同情し、藤吉には内緒で、いくらかの金を渡す・・・夜、風鳥亭にやって来た、伊能と、家で酒を飲むことになった藤吉、伊能から、女優になったリリコの扱いに、手を焼いている話や、住宅地の開発と、映画館を軸にした娯楽施設を作る構想の話が、盛り上がる・・・そんな中、外では、キースと万丈目が泥棒を追走中、捕まえてみると、それはアサリで、彼は、芸人を辞めたくなって、夜逃げしようとしていたのだった・・・てん・藤吉・伊能も加わり、キースとのコンビ芸が好評であるにも関わらず、芸人を辞めたいという、アサリの真意を訊ねると、明日、やって来る祖父に、大阪で、勤め人をしていると言っていたのに、本当は、芸人をしていることがバレたら、困るから、とのこと・・・伊能の協力を得て、勤め人のフリをすることになったアサリ、伊能の会社の事務所で、髪を整え、スーツを着て、名刺を携えた彼が、専務として、祖父を出迎え、何とか、アサリの面目は保たれる・・・一方、風鳥亭では、てんが、佐助に金を渡したのは、引き抜きへの布石と勘繰って、寺ギンが風太と一緒に、怒鳴り込んで来る、この時、藤吉が、寺ギンの芸人に対する、扱いの酷さについて、意見したため(団吾獲得の争いで敗れたことも含め)、怒った寺ギンが、翌日、北村笑店の寄席に出るはずだった芸人が、食中毒になったから、行けなくなった、と嫌がらせをしてくる・・・という話なのですが、北村笑店が出来て、もう、5年以上、経過しているのに、今更、寺ギン問題(北村笑店に、もっと、自前の芸人が必要という問題)、ハッキリ言って、風鳥亭一周年記念興行の後、「隼也が産まれました」、「隼也が一歳になりました」と、ナレーションのみで、月日を2年も飛ばさないで、あの時、やって置くべき話だったような・・・。

 

 そんな、失った時間は戻らない、当たり前のようで、我々、視聴者が、忘れがちな事実について教えてくれる、反面教師ドラマ「わろてんか(第67回~第68回)」で、筆者が気になった点について、いくつか、指摘してみたいと思います。

 

 

「第67回は、週明けの放送で、ドラマ上、明らかに、大幅な時間経過があったようにみえたが、どのくらい、経過したかは、視聴者に明かさず・・・このドラマの脚本家の吉田智子氏、もし、ここで時間経過を明かしたら、完全に、話の整合性がつかなくなってしまう、自信アリ?」

 

「団吾の契約金のためにした、借金を返すだけでも、大変なはずなのに、北村笑店に、三軒目の寄席が・・・藤吉は、『芸の良し悪しを見る天才』ではなく、『あちこちで借金をする天才』という設定に、変更した?」

 

「北村笑店の三軒の寄席の規模は、その売り上げから、同じくらいのものであることが判明・・・となると、入場料5銭、客超満員で100人、昼・夜の2回興行、それが三軒、一ヶ月あたりの売り上げは、最高でも、900円、そこから寺ギンに6割引かれて、残りは360円、現在の価値にして180万円、寄席での飲食代の儲けは、分かっていないが、どう考えても、藤吉・てん・亀井・トキ・イチ・お楽・お囃子・二軒目と三軒目の従業員、団吾と芸人四銃士のギャラ、店の光熱費や電話代、その他の雑費に、税金に、借金・・・やりくり出来る、訳がない!」

 

「上記の北村笑店の売り上げと、経費を並べて見る限り、さすが、『パーマ機1000台』の脚本家と、言わざるえません・・・」

 

「どうして、太夫元なんて、大阪に複数あるはずなのに、明らかに不利な契約をさせられている、寺ギンに、藤吉はこだわる?伝統派の芸人は?団吾は、月の井一門のトップなんだから、そのツテで、10人や20人は、噺家を集められるのでは?フリーの芸人だって、複数いるのでは?(新聞に載るような寄席なんだから、大阪中から、何人も、集まって来るはずでは?)今更、寺ギンと対決する話なんて、遅い!」

 

「今更と言えば、これまで、ずっと、無視されていた、『伝統派対オチャラケ派』の話が再燃・・・普通だったら、伝統派サイドの話で、これまでに、ひとつ以上、エピソードを挟んでいるはず・・・てんと藤吉の、同じパターンの夫婦喧嘩なんか、立て続けにやってないで」

 

「藤吉のところに、『風鳥亭さんは、芸人を大事にしてくれはるから』と、怪我をした佐助の妻・富が、金を借りに来る・・・そんな噂があるのなら、フリーの芸人の5人や10人、すぐに集まって来そうなものだが・・・」

 

「キースとアサリのコンビ芸、どつき漫才をやるのかと思っていたら、まさかの『リズムネタ』で・・・良い意味で裏切られたが(意表をつかれたが)、そのオチのつまらなさに関しては、期待通り、裏切られることはなかった!」

 

「同じ芸しかやらないから、仕事があまりないらしい、万丈目・・・舞台に上がると、風鳥亭に来ていた、伊能も含めて、客は爆笑なのに、どうして、出番が減ってしまった?相変わらず、わろてんからしい、チグハグ設定!」

 

「いつも、伊能が座る、あのVIP席のような場所は、他の席と、料金は一緒?それなら、最初に、埋まってしまうような気がするが、満席の時以外、いつも、空いている印象・・・」


「伊能の『大阪の郊外に住宅地を作って、駅の側に、映画館を軸にした娯楽施設を作る計画』は、今や、いち活動写真製作の会社社長に過ぎない、彼の出来ることではない・・・また、大阪の郊外に住宅地を作る話と、駅の側に映画館(娯楽施設)を作る話は、全く、別の話では?普通に、○○駅の側に、映画館(娯楽施設)を作るでは、何がいけない?」

 

「早くも、伊能の元で、女優になってしまったリリコ・・・一体、いつになったら、彼女は、ちゃんと、プロセスごと、エピソードを作ってもらえるようになるのか?」

 

「明日、祖父がやって来るということで、芸人を辞めて、夜逃げしようとしたアサリ・・・一端、姿をくらませばいいだけで、別に、芸人を辞める必要はないと思うが」

 

「アサリと祖父のエピソード、要は、都会に出た若者が、田舎の身内に見栄を張ってしまったため、それがバレないように、周囲の友人たちが、懸命に、その嘘に付き合ってやる(そして、結局バレる)という・・・何十年も前から、映画や漫画等で、使い古されたもの、脚本家の吉田氏、本当に、歳いくつ?」

 

「てんが、富に金を渡したことにより、寺ギンが、風太と、風鳥亭に乗り込んで来る、この時、藤吉は『何度、舞台に上がっても、芸人が、三度の飯も食えないのは・・・』と、寺ギンに意見していたが、お宅のアサリも、一日に5回も、舞台に上がっているのに、『(芸人なんかやっていても)稼げない』って・・・」

 

「寺ギンの派遣して来る芸人は、あまりに、給与が少なくて、それが原因で、芸がぞんざいになっているから、番組作りに困っていると藤吉・・・北村笑店の寄席に出る、芸人の半分以上、寺ギンの芸人な訳だから、そんな興行、団吾効果だけで、満席になる訳ないかと」

 

「芸人に冷たい太夫元・寺ギンに、それでもついて行く風太に、藤吉が『お前は、これでいいのか?』と訊ねると、『あんなやつでも、オレが藤岡屋を辞めて、迷っていたところを拾ってくれた、笑いの師匠や』との答え・・・そう言えば、藤岡屋の人々、かなり長い間、全く、出て来ないんだけど、もしかして、全員、死んでる?既に、四十九日も、終わってる?」

 

「藤吉に、生意気を言われた、寺ギンが、早速、嫌がらせで、北村笑店の寄席に派遣するはずだった芸人を、食中毒だからと、送って来ない・・・ドラマの設定上、北村笑店は、三軒目の寄席を買いつつ、団吾の契約金の借金を払いつつ、団吾の高い月給も払いつつ、それ以外の芸人や、隼也の子守りも含め、複数の使用人を雇えるほどの売り上げがあり、その6割を寺ギンに納めている・・・ということは、寺ギンにとって、藤吉は、大変な金ヅルな訳で、そんな彼に、契約を切られてしまうリスクを考えたら、何の利益にもならない、この手の幼稚な嫌がらせなんか、金勘定にうるさい(合理主義者の)寺ギンが、する訳ないのだが」

 

 

 ・・・以上です。

 

 読者の皆さん、私のつまらない、長いばかりの小理屈、最後まで、お付き合い頂き、本当に、有り難うございました。

 

 機会があれば、また、訪問してください。