詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第69回~第70回)、アサリ、祖父の前で茹であがる!トキ、風太に連続ビンタ!


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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第69回~第70回)」は、太夫元の寺ギンが、ついに、芸人を一人も送って来なくなり、右往左往する北村笑店の面々、しかし、藤吉が、他の太夫元から、芸人を回してもらうことに成功し、何とか、その危機を切り抜ける・・・万々亭で、アサリの祖父と話をすることになった、てん、彼は、自分の孫が勤め人ではないことに、ちゃんと、気付いていた、「自分の孫が何をしているのか?」について、きっと、知りたいはずと考えた、てんは、風鳥亭の高座に上がっている、アサリのところに、彼を連れて行く、祖父の存在に気付いたアサリは、出番が終わると、すぐに、裏から逃げ出そうとするが、待ち受けていた祖父に捕まり、怒られるかと思いきや、芸人である我が孫を、誇らしく思っている、という話をして、帰って行く・・・今も続く、寺ギンとの対立で、つくづく、自前の芸人の必要性を思い知った藤吉は、「北村笑店でも、太夫元をやる」相談を、てんにする、彼女は、身内に、自分は勤め人と、嘘をつかなきゃいけない、アサリの立場や、怪我をしたら、即座に生活が出来なくなる、佐助のことを思い、「太夫元をやるなら、月給制にして欲しい」と、提案する・・・ある時、リリコの家で、彼女と伊能が、映画の契約のことで揉め、最後は、水までかけられてしまい、困り果てた伊能だったが、そこへ現れた、藤吉やてんの説得により、何とか、その契約は履行されることになる・・・最初の頃は、北村笑店を応援してくれた、太夫元たちも少なくなかったが、寺ギンからの圧力がかかると、芸人を回してくれなくなり、藤吉は、やむを得ず、三軒の寄席のうち、二軒を休業することに決める・・・寺ギンは、北村笑店が太夫元を始め、芸人を月給制で雇うことは、自分の抱えている芸人の流出に繋がると感じており、実際、何人かの寺ギンの芸人は、北村笑店に鞍替えしようと、藤吉のところにやって来ていた、こうして、芸人や経営に対する価値観の違う、藤吉対寺ギンの対立は激化していく・・・という話なのですが、北村笑店が、月給制に移行するためのエピソードを、複数作り、その結果、藤吉が、寺ギンと、潰すか潰されるかの大勝負をする、というストーリーでいいのに、リリコが女優を辞める辞めないという、余計な話が・・・そして、月給制にまつわるエピソードも、いつも通りの、雑な仕上がり、というより、席主・藤吉の人脈、業界(寄席や太夫元)のルール、芸人や使用人の生活(給与)などの設定を、曖昧にしてきた、ツケが回って来て・・・たとえば、藤吉が、リーダー・シップをとって、格好良く決めるシーンも、ドラマ設定の薄っぺらさのせいで、全く、サマになっていないという、印象しかありません。

   

 そんな、基礎作りで手抜きした建物は、きっと、最期に傾いてしまう(視聴率も落ちていく)に違いない、中国あたりの欠陥住宅のようなドラマ「わろてんか(第69回~第70回)」で、筆者が、気になったことについて、いくつか、指摘してみたいと思います。

 

 

「アサリと祖父の、『田舎の身内に対して、都会で成功していると、見栄を張っていた男のところに、ある時、身内が訪ねて来ることとなって、男の嘘に付き合い、色々と協力してくれる都会の友人たち、でも、結局、嘘はバレてしまう』という、昔からある、ベタなエピソード、普通だったら、『こんな良い家に住んでいる』、『一緒に観光して、豪華な食事をする』、『実は、こんな綺麗な恋人がいる』までやって、ワンセットなのに、『立派な服を着ている』、『大きな会社で働いている』のみ・・・アサリと祖父が、二人きりで会話をするシーンさえ、なし」

 

「妹が嫁入りするから、10円貸して欲しいと、アサリに頭を下げられる藤吉・・・祖父を観光に連れて行きたいとか、更に、良いお土産を持たせたい(あるいは、小遣いをあげたい)から、10円貸して欲しい、で充分なのに、わざわざ、妹の嫁入りを持ち出したのは、何故?どうせ、アサリの妹なんて、ドラマ上、出て来ないのでは?だったら、今いる、祖父を使って、話を膨らますべきだったかと」

 

「アサリの祖父に、『あいつ、ホンマは、勤め人ちゃうんやろ?』と訊かれ、わずか数秒で陥落する、てん・・・わろてんかが、刑事ドラマじゃなくて、本当に、良かった?」

 

「アサリの祖父が、大阪にやって来た理由は、『年に1回、大金が送られて来るが、それは、もう、止めていい』と、アサリに伝えるため・・・手紙でいいかと、そして、妹の嫁入り関連の話の方が、大事ではないかと」

 

「アサリの祖父『あいつが、ええ人らに、かわいがってもろとるのを、見れただけでも、充分や』、あくまで、視聴者目線で、言わせてもらえば、そんなシーン、あまり、なかったような・・・」

 

「アサリの祖父『これからは、アサリという名前で、堂々と生きろ!』、その前に、アサリという、芸名の由来は?彼が高座にいた時、てんが、祖父に教える(視聴者にも教える)ようなシーンがあっても、良かったのでは?」

 

「藤吉の『他の太夫元に、芸人回してもらおう』って、もっと前から、寺ギンに依存しないで、フリーの芸人を積極的に使ったり、バランスよくやっていれば、良かっただけでは?」

 

「おそらく、役者(北村有起哉)の事情とはいえ、あれだけ、藤吉たちの世話になって置きながら、北村笑店の危機に、現れる気配のない、恩知らずな団真!」

 

「団吾は、いかにも地位のある人たちと、毎日、料亭などで遊んでいるのに、その人脈を使って、どうして、寺ギンのことを何とか出来ない?少なくとも、月の井一門のトップとして、自分の弟子たちを、藤吉に、紹介してやることくらいなら、出来るはず」

 

「北村笑店が、月給制にすることのコスト・・・ちゃんと、計算されているようだったら、それは、もう、わろてんかとは言えない?」

 

「北村笑店は、今後、お茶子も下足番も、月給制で雇う?じゃあ、これまでは、一体、どういう形で雇っていたのか?わろてんかの、今後のストーリーより、ずっと、気になる?」

 

「北村笑店という会社の、重要方針(月給制)を、社長(藤吉)が語る時に、玉造と松島の使用人は、誰も呼ばれず・・・理由は、おそらく、大人(ドラマ)の事情?」 

 

「結局、北村笑店が、給与の支払いを、月給制に移行するためのエピソードは、佐助の話と、アサリの話だけ・・・使用人も月給制にするなら、お楽あたりが風邪をひいて、歩合給であるために、無理をして、仕事をする話くらいあっても、良かったかと・・・そして、忙しいキースとアサリに対し、万丈目の出番が、一日一回しかない、という話があったのは、月給制の話に、絡めようとしたものの、失敗してしまっただけ?」

 

「第69回の終わり、ナレーションで『ついに、戦いの火蓋が切られました!』、どう考えても、もっと前から、火蓋は、切られていたような・・・」

 

「リリコが、伊能に水をかけて、水も滴る良い男、更に、彼の和服姿も披露・・・フジテレビの月9と、どっちが、高橋一生を、客寄せパンダとして、有効に、使いこなせるか、勝負でもしている?何だか、どちらも、敗者っぽい感じしかしないが」

 

「ちょっと前まで、忙しい藤吉を批判して、『もっと、子供(家族)との時間を大切にして』、みたいなことを言っていた、てんが、隼也のことを、毎日、子守りのタネに預けっ放し・・・これは、将来、隼也がグレてしまうという、伏線?」

 

「てんは、『芸人さんを、一生、面倒みるため』に、月給制が必要と言っていたのに、客にウケない者は、クビという、『解雇オプション付きの月給制』と判明、これなら、歩合給で、あちこちの寄席に、自由に出れる方がいいのでは?特に、実力のある芸人なら」

 

「寺ギンから、4組の芸人が送られて来なかった時は、彼に電話をして、事情を訊いたのに、芸人が全員、送られて来なくなった今は、彼に電話もしない、不思議な藤吉・・・電話で、寺ギンと、派手な言い合いをして、受話器を置いた藤吉が、『これで寺ギンとは、終わりや』、それを聞いた亀井が『終わりちゃいます、このケンカ、まだ、始まったばかりでっせ』とでも言えば、二人の対決ムードも、もっと、盛り上がっただろうに・・・」

 

「藤吉が、あちこちの太夫元に、電話をかけまくったものの、既に寺ギンが、北村笑店に、芸人が回らないよう、大阪中の太夫元に、圧力をかけたらしい・・・普通に考えて、寺ギンに、そこまでの力がある訳ないかと・・・そして、あの時代でも、大阪の太夫元には、みんな、電話があるという、意外な事実も判明!」

 

「てんと藤吉が、風太に『お前らのやっていることは、引き抜きや!』と因縁を吹っかけてくる・・・まだ、そんなことしてないのに・・・これぞ、わろてんか名物、台詞(脚本家)の勇み足?」

 

 


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 朝ドラファンの間で、ちょっとした話題になっている、トキの、風太に対する、連続ビンタ・・・まさに「男が女を殴れば悲劇、女が男を殴れば喜劇」というやつの典型ですが、案外、笑えない(不快)という人が多いのは、実は、日本が、男女平等の国という、証しなのでしょうか?。

 

 少なくとも、筆者は、このシーンが、シリアスなものとは、全く、思えず、ちょっと、笑ってしまったのですが・・・少し、贅沢を言わせてもらえば、トキには、連続ビンタの後、ジャンプしてからの頭突きも、やって欲しかった気もしますが、今後の、濱田岳の撮影のことを考えると、連続ビンタくらいで、ちょうど、良かったのかもしれません。