詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第90回~第91回)、団吾のラジオ出演を切っ掛けに、風太とトキが結婚!


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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第90回~第91回)」は、どうしても、団吾のラジオ出演を阻止したい風太が、若い社員を二人、大阪中央放送所へ送り、団吾の見張りをさせる・・・事務所にいても、「北村笑店の芸人は、ラジオ出演禁止!」と明言する風太、「実は、ラジオという、新しいメディアに興味のある」、キースの言葉など、バカらしくて、聞いていられない・・・藤吉の病室には、彼のお見舞いに、万丈目夫婦が来ていて、東京の寄席でも、自分たちがウケたことを話したうえで、向こうの新しい芸能文化に触発され、漫才のネタを書いた吉蔵が、藤吉に、感想を求めると、「おもろいなあ、アンタたち夫婦の、普段のまんまや」と、誉められる・・・藤吉の病室に、今度は、風太がやって来ると、藤吉は「(昨夜、団吾がやって来て)新しい時代の幕開けや!」と、堂々と、ラジオ出演を宣言していたことを話す、そして、「世の中に、もっと、笑いを広めるためには、新しいもの(ラジオ)も必要なのかも知れない」と、思い始めていた藤吉を、風太が、ちょうど、病室に入って来た、隼也を介して、「お父ちゃんに、もっと、しっかりしてくれと、言ってくれ」と笑顔で話し、去って行く・・・藤吉の病室には、てんと隼也の、親子3人だけ、隼也が「お母ちゃんの、お父ちゃんを看病する姿を見ていたら、北村笑店を継ぐことから、逃げている自分に気付いた、僕にとって、本当の冒険は、店を継いで、お父ちゃんを超えること、だから、勉強して、大学へ行く」と、今の気持ちを打ち明けると、藤吉は「分かった、せやけど、寄席は、生半可な気持ちで出来る仕事じゃない、それこそ、毎日が冒険や、お前に、店を継ぐ資格がなければ、すぐに放り出す」と、内心、喜びながらも、我が子のことを戒める・・・もうすぐ、団吾のラジオ出演が始まる時間となり、藤吉とてんは、病室で、風太・トキ・キース・アサリ・万丈目は、事務所で、その時を待っていた・・・団吾のラジオ出演の阻止に、成功したと思っていた、風太だったが、ラジオからは団吾の声、彼は、北村笑店の社員が張り込んでいる、大阪ではなく、京都の放送所にいたのだった・・・団吾が演じた落語は「死神」、しかも、借金で首が回らず、死神にとりつかれた男の名前を、藤吉とし、「オレには、まだまだ、やり残したことが、ぎょうさんあるんや!」と言わせたり、「人の一生は、限られています、そやけど、限られてるからこそ、美しい、誰しも、ロウソクみたいに、最後まで、明るく燃え尽きたいものや、それでは皆さん、この男が、末永く生きられますよう、ご唱和ください・・・死んで花が咲くかいな~♪」と、最後にまとめたうえで、団吾は「皆さん、明日の風鳥亭の高座で、お待ちしています」と、寄席の宣伝も忘れなかった・・・藤吉を始め、北村笑店の面々は、団吾の、芸人としての器の大きさ、落語の実力に、感心するばかりだったが、ただ一人、風太だけは、それを認めることが出来ず、かといって、団吾に負けたことも認めざるえず、落ち込んでいたところへ、トキがやって来て、「師匠の方が、1枚上手やったんや」と話し掛けると、「おトキは、オレの味方ちゃうんか?いつも、傍にいて、オレのこと、よう知ってるやろ?大口叩いても、気の小さい・・・」、「そやな、ウチは、アンタの味方や」、「味方って言うなら・・・好きや、結婚してください、嫁さんになってください、一生、傍にいてください」、「ホンマに、ウチでええの?」、「アホ、お前しかおらへん!」と、ついに、二人は結婚することに・・・翌日、ラジオで初めて、団吾の落語を聞き、その面白さを知った人たちが、生で団吾を見たい、落語を聞きたい、と寄席に押し掛けて来て、風太は、自分の頭の固さを反省する、そして、亀井に「(風太とトキが結婚するのは)団吾師匠のお蔭みたいなものやな」と言われ、風太は「そうかも知れへんな」と納得する・・・という、あらすじなのですが、いつもの「わろてんか」と違って、そんなに、悪い週の終わり方ではなかったです。

 

 ただ、隼也が、家を継ぐ気になったという話は、「どうして、そこで、お母ちゃんの看病が出て来る?」とか、「家を継ぐなら、むしろ、大学に行かなくていいのでは?」とか、疑問(矛盾)が・・・また、風太のトキへのプロポーズの話も、「結婚したら、オレの3歩後ろ」から始まる、関白宣言的な台詞は、オール・カットで良かったかと、どうせ、「亭主関白のつもりが、嫁の尻に敷かれ」という、ベタなシーンは、このドラマの脚本家の傾向から言って、これからも、ちょくちょくやるつもりだろうし・・・。

 

 前回同様、あらすじが長くなってしまったので(あらすじなのに、短くまとまらないのが、筆者の悪い癖でして)、最後に、ひとつだけ、言わせてもらうと、藤吉(彼の死後は、隼也)・てん・風太・伊能・キース・団吾の6人が、「落語派か、漫才派か、それとも、他の芸能に関心があるのか?」、「世の中の風潮に対して、保守的か(拒否する方か)、革新的か(受け入れる方か)?」という、ものさしで、きちんと、役割分担が出来ていない印象です。

 

 特に、主人公のてんが、周囲に流されるばかりで、「自分の意見がない」ように、見えるのは、いかがなものかと思います。

 

 おそらく、藤吉の死後は、彼の役回りの大部分を、今後、てんが、引き継ぐことになるので、「主人公の個性・主体性のなさ」は、ある程度、改善するのでしょうが、これまで、てんは、「お笑いに関する話(芸人を見つける、育てるという話)」で、大した活躍はしてこなかっただけに、彼女が、活躍したらしたで、「急に、てんが、お笑い(芸能)の分かる人になった、おかしい!」と、批判されることは、間違いないでしょう。

 

 尤も、藤吉だって、ドラマ上、「立派な社長モード」に入ったのは、つい、最近のことでしかない訳ですが・・・。