詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

第33回「半分、青い。」の感想は、バスでの家族との別れは、前々作「ひよっこ」の方が、良かった?


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 NHK・朝の連続テレビ小説「半分、青い。」第33回の、あらすじ&感想です。



 鈴愛が上京する前日の夜、子供の頃のように、怖い夢を見た鈴愛が、晴の布団へともぐり込み、母は娘が大きくなったと思い、娘は母が小さくなったと思いながら、色々な話をし、それを隣で、宇太郎も、寝たふりをしながら聞いている・・・鈴愛が上京する日、彼女の見送りのため、楡野家全員で、バス・ターミナルまでやって来ると、そこには、ナオがいて、大阪行きのバスに乗り損ねただけなのに、呆然としている鈴愛に、「こっちやよ!」と、東京行きのバス停から、手招きする・・・ナオから、カエルのワンピースを餞別にもらい、晴・宇太郎・仙吉・草太からも、ひとことずつ、声をかけてもらい、いよいよ、バスも発車するという時、シートに座ってからも、涙が止まらなかった鈴愛は、窓を開け、「ありがと・・・いってきます!」とだけ言えた、次の瞬間、バスが動き出す・・・走り出したバス、その車内、鈴愛は、最後尾へと向かい、窓ガラスに息を吹きかけ、曇らせてから、「大好き!」と文字を書く・・・そして、見送る方も、見送られる方も、相手の姿が見えなくなるまで、手を振り続けるのだった・・・ついに東京に到着し、秋風羽織のオフィスへとやって来た鈴愛は、秋風の生原稿を見て、感激し、顔を近付けようとすると、持っていた荷物で、彼の飲んでいたコーヒーをこぼし、大事な原稿を台無しにしてしまう・・・という、あらすじです。




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 それでは、ここからは、第33回「半分、青い。」の、筆者の感想です。



 高校を卒業する鈴愛が、怖い夢を見たからと、母親の晴の布団へともぐり込んで、「布団は舟、出たら、ワニに食べられる」という、例の話を中心に、4分弱も(しかも、星野源が歌い出す前に)・・・視聴者によっては、感動シーンどころか、「この母娘、ワニに食べられるより、イタイ!」と思っていたかも知れません。



 ナオが鈴愛に、餞別としてくれた、カエル柄の服、パジャマかと思ったら、まさかのワンピース・・・もしかしたら、これは、木田原洋服店が、後に潰れるという、伏線なのかも知れません。

 また、ナオのファッション・センスは、かなり独特とやるつもりなら、もっと前から、彼女に、変な格好をさせて置くべきだったかと・・・。



「すずちゃん、何か、何かが邪魔して、今まで言えんかったけど、秋風羽織に認められるなんて凄い!頑張ってな、応援しとる!」という、ナオの台詞、これまで、仲の良い女同士(鈴愛とナオ)の、微妙な心理的嫉妬なんて、全く、描いていないのに、何故、このタイミングで、こんな告白・・・?



 鈴愛が泣きながら、曇りガラスに「大好き!」と指でなぞると、遠くから、それをちゃんと認識出来る、まるで、サンコンのような宇太郎・・・きっと、脚本家のイメージでは、良いシーンだったのでしょう、演出家からすれば、「あの文字を、宇太郎たちから、見えているように撮るのは、不可能」となっただけで・・・。



 前々作「ひよっこ」のヒロイン、みね子の上京は、家が貧乏で、家計を助けるため、失踪した父親を見つけるために、行きたかった訳でもないのに、東京へ行かざる得なかった・・・それに対して、今作「半分、青い。」の、鈴愛の家は中流、母の反対と、祖父が口利きしてくれた就職先(農協)を蹴って、自分の夢のために、東京へ行った・・・この違いを考えれば、何故、「ひよっこ」のバスの別れは、泣けたのに、「半分、青い。」のバスの別れは泣けないのか、理由は明瞭・・・あと、楡野家には、バスを追い掛ける、ちよ子と進がいない、鈴愛とひとつ違いの草太が、バスを追い掛けてみたところで、イタイだけでしょうし・・・いっそ、仙吉を走らせてみるのも、アリだったかも知れません(彼が貧血で、倒れ込むまで)。