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詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話や、日常生活にあったことを書こうとも思います。

思いがけない孤独

 

彼は、幼い頃から

空を飛びたいと思っていた

 

ある日、夢が叶い

何の前触れもなく

蝶に変身していた

 

必死になって、両羽を動かした

家の屋根の上まで、浮いていた

そこから見える光景に、感動していた

 

やがて、羽を動かすのが、億劫になった

というより、疲れて、身体が動かなくなった

そして、ゆっくり、下降していった

 

彼の遺言「夢なら、覚めて」

 

かなり、長い間

彼は、木の葉のように、風に翻弄され

静かに、地面へと着地した

 

とっくに意識などなかった

自分が人間だった記憶も、ない

 

蝶の死骸に、蟻がたかっている

 

この一風変わった

葬儀の行列は、どこまでも続くが

そこに、彼の家族は、一人もいない