加害者ではある、しかし、どこまで責任があるのか?
ネズミ捕りが
ネズミを、バチンと
抑えつけた
ネズミは、もう、動けない
口から、血が滴っている
ネズミ捕りは
かなり、動揺しながら言った
「もっと、嬉しいものかと思っていたが
うしろめたいばかりだ」
ネズミは、最期の力を、ふり絞って言った
「これなら、猫に食べられた方がマシ」
ネズミ捕りは
無意味に死んで逝く、ネズミに対し
申し訳ない気持ちで、いっぱいになり
泣きながら、謝罪を繰り返した
しかし、自分の力では
ネズミを抑え込んでいる
太い針金は、どうにもならなかった
ネズミ捕りは、自分の無力を恥じた
やがて、ネズミは死んだ
ネズミ捕りの方も
毎日、死んだように、塞ぎ込んでいる