詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

わろてんか(第108回・第109回)、てんが女興行師として、「しゃべらん漫才」を成功に導く話!

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 NHK・朝の連続テレビ小説「わろてんか(第108回・第109回)」は、社長のてんと、専務の風太のところへ、四郎が訪ねて来て、「社長には、申し訳ありませんが、しゃべらん漫才なんて、僕には出来ません。リリコさんとのコンビも、解消させてください。北村笑店も、辞めさせてもらいます」と訴えたので、てんも風太も、ただただ驚く・・・てんが、四郎の相方のリリコの方にも、事情を訊いてみると、しゃべらん漫才をする話も、コンビを解消する話も、四郎を説得出来なかったことを、悔やんでいるようだった・・・てんが、伊能のところへ行き、「せっかく、四郎さんを紹介してくれたのに、(コンビが解散することになって)すみません」と、頭を下げると、「新しいこと(しゃべらん漫才)に挑戦すれば、周囲との摩擦は避けられない。僕のやっている、トーキーも、莫大な費用が掛かることから、反対者も多いが、僕は、彼らを説得しなければいけない。大衆に喜んでもらうために・・・おてんさん、君の新しい漫才への思い、本当に、四郎君へ、伝えることが出来たのか?」と彼に言われ、てんは、もう一度、四郎と話し合ってみようと決意する・・・歌子の店で、何人かの親しい人に、別れの挨拶をする、四郎のところに、てんがやって来て、リリコも呼び、「お客さんは、四郎さんが、台詞を忘れて、みっともないから、笑うんやない(二人の、良い関係性が伝わってくるから、笑うんや)」、「四郎さんは、何も語らなくても、楽器で、しゃべることが出来る」、「しゃべらん漫才は、アンタら、二人だから出来る。ホンマ、これ以上はない、ええ、コンビや」と熱く語り、リリコも四郎も、心を打たれる・・・北村笑店の事務所で、風太が、てんに、リリコの新しい相方の候補をまとめたものを、見せていた時、リリコと四郎がやって来て、「もう一度、二人でやらせて欲しい」と、頭を下げたうえ、四郎が台本の自分の台詞を、「まだ、多い」と、赤鉛筆で、線を引き出す・・・ミス・リリコ・アンド・シローが、初めて、高座で「しゃべらん漫才」を披露する日の朝、てんは、隼也と一緒に、藤吉の仏前で、その成功を祈っていた・・・楽屋で、緊張しながら、自分たちの出番を待つ、リリコと四郎のもとに、万丈目夫婦が、差し入れのぜんざいを持って現れ、二人は、それを食べることで、これまでの緊張が、少しずつ、やわらいでいく・・・リリコと四郎の本番は、始まりから、終わりまで、客を笑わせることに成功し、高座をあとにした時も、大きな拍手がなりやまなかったが、楽屋へ戻って来た、リリコは「お客さん、笑ってた?(興奮と緊張で)よう、わからへんかった」と、皆に確認してしまうのだった・・・てん、風太、キースにアサリ、支えてくれた仲間たち、みんなに絶賛された、ミス・リリコ・アンド・シローの、しゃべらん漫才は、こうして、順調なスタートを切ることに、成功するのだった・・・一方、売店の仕事が忙しく、リリコと四郎の漫才を見ることが出来なかった、隼也も、「似顔絵まんじゅう」、「歌子の洋風弁当」、「月刊キタムラ」、「スター芸人のブロマイド」、「藤岡製薬の化粧水」などの売り上げが好調で、総売上げが、普段の3倍となり、専務の風太からも、誉められたものの、今後は、「呼び込みと、もぎり」まで、やらされることに・・・夜、てんは、仏前の藤吉に(また、彼が幽霊となって、現れることを期待しながら)「リリコさん、藤吉はんが望んでいた通り、素敵な芸人さんになりましたえ」と、今日の成功を報告する・・・深夜、てんの枕元に、藤吉の幽霊が現れ、「ようやったな。これでもう、てんは、世間も認める、北村笑店の女社長や、立派な女興行師や、隼也のこと、会社のこと、頼むな」と言い残し、消えていく・・・という、あらすじです。



 それでは、わろてんか(第108回・第109回)の、筆者の感想ですが、まず、リリコ・アンド・シローのしゃべらん漫才について、言わせてもらえば、ネタは、実在する、往年のベテラン漫才師たちのネタの、パッチワークでしかありませんでしたが、仕上がり自体は、比較的、視聴者に好評だった、文鳥(笹野高史)の落語と、遜色ないくらい、良かったと思います。


 てんが、思い付いた、しゃべらん漫才(正確には、ほぼ一人しゃべり漫才、と言うべき)は、全く新しい漫才と言いながら、「アコーディオン付き、夫婦漫才」でしかないのが、いかにも、わろてんからしい、残念なところですが・・・。



 また、四郎に、しゃべらん漫才をやらせるための、てんの説得の言葉ですが、万丈目夫婦の「芸人は、笑ってもらってナンボ」、「笑いを取るためなら、あわあわ言うくらい、なんやの?」という、台詞も足して、「合わせ技一本!」みたいなことになっていますが・・・決して、皆が納得出来る論理では、なかったと思います。


 いっそ、てんに「四郎さん、ウチは、アンタを、芸人として雇ったんや、音楽家として雇ったんちゃいます。余計なプライドは、捨ててくれなはれ!」、「しゃべらん漫才が嫌やなんて言うのは、もっと、しゃべくりの方が、上手くなってから、言いなはれ!」とでも言ってくれた方が、無駄に理屈を重ねるよりも、爽快で良かったかと・・・。



 あと、どうでもいい話ですけど、てんが四郎に対して、「四郎さんは、楽器でしゃべるんです」と言う台詞・・・確かに、「次郎さん(松尾諭が前作・ひよっこに出た時の、車掌役の名前)」と言っているようです。録画したもので、3回ほど、確認しましたが、私の耳がおかしくない限り、どうしても、次郎さんと聞こえます。



 今作のヒロイン、てん役の葵わかなさん、もしかしたら、前作・ひよっこの、ファンだったのかも知れません。