詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

ひよっこ、ファンも唖然、衝撃の問題作「月時計会議」とは、何だったのか?


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 NHK・朝の連続テレビ小説「ひよっこ」の、第20週「さて、問題です」において、第118話~第120話にわたり、開催された「月時計会議」は、議長となった早苗の名采配によって、きちんと、議題が整理されているようで・・・長過ぎたのか、議題が悪かったのか、台詞自体がイマイチだったのか、演出に問題があったのか、それがよく分からないまま、何となく終了し、ファンの間でも「こんなことに、3話もかけて、脚本家の岡田恵和氏は、一体、何がしたかったのだろう?」と、違和感を抱かずにはいられない、物議をかもす、問題作に仕上がっています。

 

 

 月時計会議の4つの議題

  1. 時子の背が高い問題
  2. みね子の島谷問題
  3. 由香の生き方問題
  4. みね子と由香、どっちがガキか問題

 

 

 まず、時子の問題ですが、これは岡田氏が、いつものように、ギャグに走っている、無駄な議題のようで、実際は、来週のツィギーの話の伏線かと思われます。

 

 時代劇では、デメリットでしかない、時子の現代的なスタイルが、当時であっても、国際的な美の観点から言えば、メリットであり、彼女が女優としてステップアップする切っ掛け、その対比として挟んだ、それなりに意味のあるエピソードなのだと、私は受け取りました。

 

 

 次の、みね子の島谷問題も、「何を今更な話」としか思えない視聴者が多かったかも知れませんが、ここで主人公・みね子の過去の恋愛を総括して、次の恋愛に向かっていく、スタートだとすれば、満更、無駄なエピソードではないと、私は思います。

 

 むしろ、無駄だったのは、みね子の「(富裕な)島谷さんと結婚すれば、実家も楽になるかも知れないし」という台詞で、そんなことは、視聴者の方が勝手に思えば(皮肉れば)いいことで、わざわざ、みね子に言わせて、彼女のキャラをブレさせる、そんな必要はなかったでしょう。

 

 良い子ちゃんばかりの、朝ドラ・ヒロインに、ある種のリアリティーを持たせたかった?あるいは、みね子の地味で単純な性格に、複雑さを持たせたかった?こういうことをやるんだったら、序盤と中盤の間でやるべき・・・すでに、視聴者のみね子像が出来上がっている、中盤と終盤の間にやるのは、余計なことでしかないと思います。

 

 

 由香の生き方問題は、本来、彼女と鈴子、彼女と省吾の間に、エピソードを作って、和解させるべきなのに、バーで、「由香は良い人」、「鈴子のことも、省吾のことも好き」、「早苗などから、和解を促される」という話をしたのだから、「今後、本格的な和解エピソードなんて作りません!でも、三人は勝手に、和解します!」という、脚本家の手抜き宣言でしかなく、決して、誉められたものではありませんが・・・この月時計会議で、唯一、採択された、本格的な宣言といえるでしょう。

 

 そもそも、由香の、過労死した母・節子だけが、無理に働かされて、 鈴子と省吾は怠けていたというのなら、それを見ていた由香が、二人を嫌うというのも、理解出来ますが、三人とも働き者の場合、彼女に芽生える感情というものは、普通に考えて、「お父さんも、おばあちゃんも、働き過ぎには、注意して!」というものでしかないと思うのですが・・・。

 

 

  最後に、みね子と由香、どっちがガキか問題についてですが、こんなことを話し合うくらいなら、「みね子と時子は、一体、いつ、入浴すればいいんだ問題」や、「すずふり亭のヒデこそ、過労死寸前なのではないか問題」の方こそ、今すぐ、話し合うべき、緊急の議題なのではないでしょうか?

 

 

 

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  由香のみね子に対する、「星に向かって、語りかけちゃったりするんだぁ・・・私も、5~6歳の頃は、やってた記憶があるけど」という台詞は、島崎遥香が、脚本家の岡田氏に対して、皮肉っている台詞と思えば、面白さも倍増でしょう。

 

 

 

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 ギターを持った渡り鳥ならぬ、「ギターを持った伝書鳩(由香専用)」 となった、和菓子屋のヤスハル、何故か、名前が片仮名なのは、意味があるのか?それとも、ただの話題集めを狙ったものか?岡田氏の、性格の良し悪しが、試されます。

 

 


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 ひよっこ「友達100人出来るかな?」 路線の、最後の大物キャスト・・・犬です。

 

 アンチひよっこの中には、「猫の手も借りたいという言葉は、聞いたことがあるけど、まさか、犬を使う手に出るとは・・・」と、失笑している人も、少なくないようです。

 

 


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 今回の月時計会議が行われた、第118話~第120話の構成と演出は、本隊に、みね子・時子・早苗・由香・邦子、別動隊として、富と愛子、犬とヤスハルを使う、絶妙な部隊の配置・・・本隊の月時計会議が、理屈っぽい話で、視聴者によっては、飽きてしまうことから、途中で、別動隊の話を挟む、王道といえる作戦に出るのですが、何故か、第119話のオチかと思われていた、富と愛子のオバケの話が、週のラストの第120話まで、引っ張られることに・・・どうせ、くだらないと思っていた、オバケ話、どうも、岡田氏は、自信があるらしい・・・私は「じゃあ、期待しよう、楽しみだな」と、最高の集中力で、テレビ画面を見つめていたのですが、結果は、富が漫画家の部屋で、自分をモデルに描いた絵に驚き、それにつられて、愛子も、みね子たちも、悲鳴を上げるだけという、衝撃的にしょうもないオチ・・・何故?という疑問ばかりが頭に残る、「朝ドラ界のインパール作戦」として、今後、朝ドラ・ファンに語り継がれていくことは、間違いなさそうです。

 

 

 ところで、第19週の次週予告で、ナレーションの増田明美から出された、クイズについてですが・・・。

 

 

 さて、ここで問題です。来週のひよっこで、実際に起きることは、次のうち、どれでしょう?

 

  1. みね子と由香が大喧嘩
  2. あかね荘にオバケが出る
  3. お父ちゃん、記憶が戻る

 

 

 みね子と由香は、多少の言い争いはしたものの、大喧嘩などしていないし、あかね荘にオバケなんて出なかったし、実は、自分の失踪後の話を知っただけで、記憶が戻ってなんかいない・・・つまり、三択問題でありながら、そこに答えがないという、なかなかの意地悪問題・・・善人ばかりの、ひよっこの世界における、唯一の悪人は、「その世界を創っている岡田氏自身」説、満更、間違いでもなさそうです。