詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

anone(あのね)は、なぜ、視聴率が低いのか?(第4話までの感想として)


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 日本テレビ「anone(あのね)」を、第4話まで観た感想と、「なぜ、このドラマは、視聴率が低いのか?」ということに関する、考察です。

 

 まだ、このドラマを観ていない人のために、「anone(あのね)」とは、どんな話なのか、説明します・・・主人公のハリカを始め、一般的には、不幸と言っていい人たちが(特に、死を意識せざる得ない人、家族と良い関係にない人、つまり、孤独な人たちが)、続々と登場して来て、ひょんなことから、接点を持ち、これまた、一般的には、「そうはならないでしょ?」と思える、運命としか言いようのない、動機の曖昧な(不可解な)、行動と結果の末、各登場人物と、各エピソードが、連鎖的に絡み合い、時には、小休止的な(このドラマ特有の暗さを、緩和させる)、会話中心の日常シーン(あるいは、ユーモア重視の日常シーン)を挟みつつ、物語が進行していく、現実離れした(お伽噺のような)お話です。

 

 また、映像的(演出的)にも、「海外の国際映画祭で、グランプリは無理でも、審査員特別賞なら、あるかも?」と、関係者に期待させる感じの、なかなかの、仕上がりとなっています。もちろん、皮肉ではなく、誉め言葉として、書いています。

 

 このドラマのテーマは、聞くところによると、「真実の人間愛」、「生きることの意味とは?」なんだそうです。筆者は、このことを知るまで、「村上春樹の作品は、ドラマ化したくても、許可がもらえないから、自前で、村上春樹っぽいのを作ってみよう!」がテーマだと、誤解していましたが・・・。

 

 スケボー、偽札、工場、風力発電、テトラポッド、案山子、風見鶏、猫、フェレット、芽キャベツ、拳銃、流れ星、幽霊などと、物語の未来を暗示するような(あるいは、物語の雰囲気作りに利用するための)、場所やモノや現象が、村上文学のように、多数、散りばめられ・・・会話の中の、ユーモアや、お洒落な言い回しも、あるいは、部分的なエピソードも、何だか、村上春樹っぽい・・・あと、良かれ悪しかれ、ファンタジーでしかないのに、結構、社会派を気取っているところも、村上作品に、似ているかと・・・。

 

 「真実の人間愛」にしても、「生きることの意味」にしても、どうせ、皆が納得する形で、定義することも、表現することも、出来ないでしょうから(そのくらい、曖昧かつ、個人差のあるものでしょうから)、結局は、「何でもアリ」という話で・・・そういう意味では、テーマ通りのドラマになっていると思います。

 

 筆者は、この「何でもアリ」のドラマ、毎回、楽しみにしています。おそらく、最終回まで、視聴し続けると思います。

 

 しかし、多くのドラマ・ファンの間では、「何の話か分からない」、「暗いし、不快」、「退屈なシーンが少なくない」、「あり得ないシーンが少なくない」、「制作側の、ひとりよがり(センス自慢)」、「リアルを描けないから、ファンタジーに逃げている」、「ドラマ(テレビ)だから、斬新に見えるだけで、漫画・映画・小説の世界だったら、古いくらい」などの理由で、早くも、視聴離脱者が続出しているようです。

 

 ま、「何の話か分からない」なら、当然、視聴離脱した方がいいでしょう。おそらく、超簡単にまとめると、「ハリカが、彦星を助ける(助けようとする)話」なのだと思いますが(少なくとも、序盤は)・・・。

 

 

 最後になりますが、第4話では、青羽の「心の中の住人」と言うべきか、「幽霊」と言うべきか、青羽の娘・アオバが登場しましたが、視聴者的には、「面白い」と思った人と、「バカらしい」と思った人、どちらが多かったのでしょうか?

 

 筆者は、アオバが幽霊なら、「面白い」と思いますが、「心の中の住人(青羽の現実逃避の産物)」だとしたら、「古い」と思います。青羽&アオバの話を聞いた限り(説明し過ぎ、もっと、ミステリアスな存在にするべきだった)、後者の可能性の方が高いと思われ、私的には、残念です・・・。