詩と寓話とシュールレアリスム

タイトル通りのテーマです。シュールな詩と寓話を書きます。たまに、ブログの話やテレビの話、日常生活にあったことを書こうとも思います。

anone(あのね)、最終回の感想「全ての物語は、ハリカが、一人暮らしを始めるために?」


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 日本テレビ「anone(あのね)」の最終回を観た感想です。


 第9話で、ハリカは、彦星に最新治療を受けさせるため、心にもない、酷いことを言い、彼から、去っていく・・・青羽は、重病の持本を、最期まで、看取る約束をする・・・亜乃音は、偽札作りの証拠隠滅に失敗し、警察に逮捕される・・・中世古は、かつて死者まで出した、火事の真相に気付き始めた、陽人に接触する、など、最終回に向けて、主要な登場人物、全てに、「これから、この人たちは、どうなる?」と、視聴者に興味を抱かせたうえで、「衝撃の最終回!全ての物語は、この結末のために!」という、煽り気味の宣伝文句・・・きっと、このドラマは、筆者なんぞには、想像もつかない、「大変な最終回に仕上がっている!」に違いない、と期待していたのですが・・・この物語の結末は、主人公のハリカが、好きだった彦星とも、本物の家族のように慕っていた亜乃音とも、ある種の(少なくとも、一時的な)決別をして、一人暮らしを始めるという、これまで築き上げた、意味ありげ(かつ不条理)な世界観を、全く無視した、衝撃的なまでに、平凡なものでした。


 このドラマのストーリーの軸にもなっていた、偽札作りの末路も、関わった者、全員が(亡くなった持本を除いて)、その罪の分だけ、法で罰されるという、実社会では、それが何よりかも知れませんが、ドラマとしては、全く、面白味のないものに・・・。


 ハリカと彦星の手紙でのやり取りと、鑑別所での面会・・・青羽と持本の温泉旅行と、アパート暮らし・・・ハッキリ言って、盛り上がりに欠ける(驚きのない)展開でしたが、このドラマの脚本の坂元裕二氏が、いかにも、自分色に染めあげていたので、きっと、ファンの人たちには、「鮮やか!」と、喜んでもらえたことでしょう。


 筆者が、最終回に、「予測不能の何かを起こすとしたら、この人!」と期待していた、中世古も、例の火事の原因が、自分だと気付いてしまった、陽人のために、真実とは違う話を、彼にしたあと、ハリカとの約束通り、警察に自首をするという、よくありがちなキャラに、成り下がってしまったことは、個人的に、とても、残念に思っています。

 
 そして、結局、「偽札作りなんかしても、逮捕されるだけ」、「亜乃音と彦星は、本来の家族との関係が良くなる」、「同じ重病人でも、金のない持本は死に、金のある(金の借りられる)彦星は、生き続ける」、「ハリカと彦星の、意外とドライな(自分たちの関係性が、恋人ではなく、単なる知り合いだと、気付いてしまったかのような)手紙のやり取り」など、最終回になって、急に、ファンタジー色が消え、現実(普通)っぽい話に・・・。


 最終回で、現実離れしているのは、持本が、例の蝉のパジャマを着た、幽霊になったことだけ・・・ドラマのテーマとして、「生きることの意味」を掲げて置きながら、「死んだら幽霊になればいい。生前、何も残すことが出来なかった者は、自分が幽霊として、残ればいい」というのは、どうなんでしょう?



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 それでは、最後になりますが、ハリカが鑑別所で、かつて仲間だった、「歯抜け(喪失)少女」と再会し、彼女が「差し歯(再生)少女」となっていたのは、まさに「人生ってやり直せるんだよ」という、明るい話で、微笑ましかったですが・・・純粋に、面白さだけを追求すれば、ハリカが彼女と再会したら、「歯が、もう1本抜けている」パターンも、アリだった気がします。


 ま、そこが「お前の性格の悪さ!」と指摘されたら、反論する気もありませんが・・・。